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インタビュー|美容医療における日本と海外の違いとは ― 繊細な日本人の肌とTERASTIE誕生の理由
この記事の要点
2026年6月20日、世界最大級の美容医療学会IMCASの公式インタビューを受け、「美容医療における日本と海外の違いは?」という質問にお答えしました。
「アジア人の肌は強い」と思われがちですが、これは大きな誤解で、日本人の肌は本当に繊細です。欧米のスキンケアやデバイス治療をそのまま持ち込むと、良い結果が得られないばかりか、治療終了後しばらくしてから肝斑などの色素斑が強く再発する例もあります。この記事では、インタビューでお話しした「治療が終わった後の顔」から逆算する治療戦略と、当院がオリジナルスキンケアTERASTIE(テラスティ)を開発した理由をご報告します。
はじめに
2026年6月20日、IMCAS ASIA 2026(バンコク)の会期中に、IMCASの公式インタビューを受けました。IMCASは皮膚科・形成外科・美容医療の分野で世界最大級の国際学会です。
いただいた質問は、「美容医療における日本と海外の違いは?」というもの。世界中の医師が視聴するインタビューで、私が最初にお伝えしたのは、とてもシンプルな一言でした。
「日本人のお肌は、本当に繊細です」――今回はこのインタビューでお話しした内容を、日々スキンケアや治療の選択に迷われている方に向けてまとめます。
1. 「アジア人の肌は強い」という、大きな誤解
海外では、「アジア人の肌は、西洋人と比べると強いのでは?」と思われていることがあります。しかしこれは、大きな、大きな誤解だといえます。
アメリカやEU圏で使用されているスキンケア製品をそのまま持ってきて、同じように使おうとしても、良い結果が得られないばかりか、副反応がかえって強く出てしまうことがあります。
デバイス治療(レーザーや高周波などの機器を使う治療)も同様です。海外の先生方と同じような設定・同じような使い方をしても、思ったようなポジティブな結果が得られないことは、アジアの治療現場ではよく知られた事実です。
つまり、海外で優れた成績を上げている方法が、そのままの形で日本人の肌に合うとは限らない。ここが、日本と海外の違いを考えるうえでの出発点になります。

2. 「肌を強制的に生まれ変わらせる」方法の、その後に起きたこと
数年前、海外製のスキンケアで「肌を強制的に生まれ変わらせる」方法が多く使われた時期がありました。強力なビタミンA(レチノイド:肌のターンオーバー=生まれ変わりを強く促す成分)を用いる方法です。
この方法は、あるタイプの肌の方には非常に高い効果を発揮します。問題は、「その後」でした。
繊細な肌に海外と同じ方法をそのまま用いた場合、治療終了後6か月頃に、肝斑をはじめとした色素斑の強い再発を認める例が見られたのです。
「どこが、どのように刺激されるのか」の管理
デバイス治療と同様に、強制的に肌を刺激する場合は、どこが、どのように刺激されるのかをしっかり管理する必要があります。それがなされなかった例が、「治療して数か月はよかったけれど、その後急激に色が出てきた」という結果を生んでしまいました。
刺激そのものが悪いのではありません。管理されていない刺激が、繊細な肌にとって負担になるのです。

3. 「治療が終わった後の顔」から逆算する
新たな治療法やスキンケアを試してみること自体は、良いことです。ただしその際に必須になるのが、治療期間や直後の結果だけでなく、「終了後の顔に何が予想されるか」を見越した治療戦略です。
ある一時期だけきれいになったけれど、その後は以前より悪化してしまった――そのような治療法は、最善とは言えないと私は考えています。
治療を始める前に、終わった後の肌がどうなっているかまでを設計しておく。繊細な日本人の肌では、この視点の有無が、数か月後・数年後の結果を分けます。

4. TERASTIEが生まれた理由 ― 治療・回復・維持、そして「準備」
残念ながら、当時世界を見回してみても、色素を生み出しやすく、ダメージを受けやすい肌に特化して、治療・回復・維持(メンテナンス)までをカバーできるスキンケアは存在しませんでした。
それが、当院がオリジナルスキンケアTERASTIE(テラスティ)を作った理由です。
TERASTIEは、治療・回復・維持に加えて、治療の準備=Skin Priming(スキンプライミング:治療の前に肌の環境を整えておくこと)まで考慮した3ステップのスキンケアで、1・2・3それぞれに役割が異なります。

1 ― 肌を「整える」:トーンアップエッセンス(TONE-UP ESSENCE)

トーンアップエッセンスは、洗顔後の肌を整え、続くステップを受け入れる状態をつくります。トラネキサム酸とグルタチオンに、肌のバリア(外部刺激から肌を守る仕組み)を支える6種類のセラミド、ヒアルロン酸、肌荒れを防ぐグリチルリチン酸2Kを重ねました。
2 ― 管理された刺激で「働きかける」:リジェンセラム(REGEN SERUM)

リジェンセラムは、レチノール(ビタミンAの一種)をナノ化し、赤みや乾燥といった刺激を抑えながら肌に届ける美容液です。6種類のペプチド、ナイアシンアミド、ビタミンC誘導体、3種類のヒアルロン酸、6種類のセラミド、スクワランを合わせています。
「どこが、どのように刺激されるのかを管理する」という考え方を、毎日のスキンケアに落とし込んだ一本です。
3 ― うるおいを守り「維持する」:リッチクリーム(RICH CREAM)

リッチクリームは、3種類のヒアルロン酸と3種類のセラミド、水溶性プロテオグリカン、トコトリエノール、バクチオール(植物由来の整肌成分)、3種類の天然保湿オイル(スクワラン・ホホバ種子油・コメヌカ油)で、働きかけた肌を静かに落ち着かせます。回復・維持(メンテナンス)を担う一本です。
5. インタビューを終えて ― 日本と海外、それぞれの良さを
海外の肌に対するアプローチを知り、その良いところを日本のケアに取り入れる。さらには、繊細な肌と向き合い続けてきた私たちが持つ良さを、海外に向けて発信していく。
その双方向のやりとりこそが、スキンケアのベースを向上させていくのではないかと、私は考えています。世界の第一線で日本の知見が求められていることを、今回のインタビューであらためて実感しました。
繊細な肌に必要なのは、より強い方法ではなく、「終わった後」まで管理された方法です。

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よくある質問
海外製のスキンケアは、使わないほうがよいのでしょうか?
製品そのものの良し悪しではなく、「繊細な日本人の肌に合った強さと使い方の管理がされているか」が重要です。特に強力なビタミンA(レチノイド)を含む製品を自己判断で長期間使用すると、肌への刺激が管理されないまま蓄積することがあります。使用中の製品や肌の変化について気になることがあれば、診察時にご相談ください。
ビタミンA(レチノイド)のスキンケアをやめた後に、シミや肝斑が濃くなることはありますか?
強力なビタミンAで肌のターンオーバーを強く促す方法を繊細な肌にそのまま用いた場合、終了後6か月頃に肝斑をはじめとした色素斑の再発を認めた例が報告されています。すべての方に起こるわけではなく、肌質や使い方によって経過は異なります。色の変化に気づいたら、自己判断で対処せず医師にご相談ください。
TERASTIE(テラスティ)は、どのようなスキンケアですか?
色素を生み出しやすく、ダメージを受けやすい繊細な肌を想定して当院が開発したオリジナルスキンケアです。治療の準備(Skin Priming)・治療中・回復・維持の各段階を支えることを考えて設計されており、1(トーンアップエッセンス)・2(リジェンセラム)・3(リッチクリーム)それぞれに役割が異なります。肌の状態に合わせた使い方は、診察時にご案内しています。
ご検討の方へ(注意点)
- スキンケア製品は化粧品であり、医薬品のような治療効果を保証するものではありません。使用感や肌の変化には個人差があります。
- 本記事で触れた治療(レーザー等のデバイス治療を含む)は自由診療(健康保険が適用されない治療)です。費用はカウンセリング時にご案内しています。
- 治療やスキンケアの効果・経過には個人差があります。すべての方に同じ結果が得られることを保証するものではありません。
- 強いレチノイド製品の使用中・使用後に赤み・皮むけ・色素の変化などが生じた場合は、自己判断を続けず医師にご相談ください。
- 記事中の写真はIMCAS公式インタビューの収録風景です。医療者向けにお話しした内容を、患者さんに向けて分かりやすく再構成しています。
「スキンケアをがんばってきたのに、かえって色が濃くなった気がする」「肝斑や色素斑の再発に悩んでいる」という方は、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。
肌の状態を診たうえで、いま必要なのは治療か、回復か、それとも「準備」なのかからご説明します。
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