GRACE JOURNAL
TEA Bangkok with Jeisys / IMCAS ASIA 2026 Jeisysシンポジウム 登壇報告
この記事の要点
2026年6月、タイ・バンコクで開かれた「TEA Bangkok with Jeisys」と「IMCAS ASIA 2026」Jeisysシンポジウムに登壇しました。
テーマは、マイクロニードルRF(極細の針と高周波を組み合わせた肌の治療)をどう使いこなすか。当院が数ある機器のなかからポテンツァ(POTENZA)を選んでいる理由は、大きく二つあります。ひとつは「針」の使い分けができること、もうひとつは「熱の入れ方」を切り替えられること。この記事では、講演でお話しした内容をご紹介します。
はじめに
2026年6月、タイ・バンコクで開催された「TEA Bangkok with Jeisys」、および世界最大級の美容皮膚科学会のひとつ「IMCAS ASIA 2026」のJeisysシンポジウムに登壇いたしました。テーマは、マイクロニードルRF治療、そのなかでも当院が使用しているポテンツァ(POTENZA)についてです。
マイクロニードルRFは、いま日本を含め世界中の美容医療で広く使われるようになった治療です。ただ、機器はいくつもあり、同じ「マイクロニードルRF」という名前でも、できることは同じではありません。本稿では講演の中心となった「なぜポテンツァなのか」について、順を追ってお話しします。
1. マイクロニードルRFという治療の考え方
まず、この治療がどういうものかを整理しておきます。
マイクロニードルRFは、髪の毛ほどの細さの針を肌に刺し、その先からRF(高周波:組織を内側から温めるエネルギー)を流して、肌の内側に熱を与える治療です。肌は与えられた熱を「修復すべき変化」として受け取り、コラーゲンをつくり直そうとする働きが促されます。毛穴・ニキビ痕・肌のたるみやハリなど、幅広い悩みに用いられています。
ポイントは、「針を使うこと」と「熱を入れること」の二つです。裏を返せば、この二つをどれだけ細かくコントロールできるかが、機器ごとの違いになります。



2. 一つめの理由──「針」を使い分けられること
熱を届けたい場所は、肌の奥にある真皮(しんぴ)です。肌は大きく、外側の表皮と、その内側の真皮の二層に分かれています。ハリや弾力のもとになるコラーゲンがあるのは真皮のほうで、マイクロニードルRFが狙うのもここです。

守らなければいけない層がある
ところが、表皮のいちばん深いところにはメラノサイト(肌の色をつくる色素の工場にあたる細胞)が並んでいます。ここに過剰な熱が加わると、色素をつくる働きが急激に高まり、炎症後色素沈着(PIH)——治療のあとに茶色いシミのような跡が残る状態——につながることがあります。さらに強い熱が加わると細胞そのものが傷み、逆に色が抜けてしまう色素脱失が起きることもあります。
つまりこの治療では、真皮にはしっかり熱を入れ、表皮の最深部には熱を届けないという、相反する二つを同時に満たす必要があります。

絶縁ニードルと非絶縁ニードル
ここで効いてくるのが針の構造です。針には、針全体から熱が出るタイプ(非絶縁ニードル)と、決められた部分からだけ熱が出るタイプ(絶縁ニードル)があります。
針全体から熱が出るタイプでは、真皮に熱を入れようとすると、その通り道にある表皮にも熱が伝わります。本来なら負う必要のなかったリスクを、患者さんに負っていただくことになります。一方、絶縁ニードルであれば真皮だけを選んで温めることができ、その深さも細かく調整できます。

ポテンツァはこの絶縁ニードルにも種類があり、真皮の一部だけを温めたいとき、真皮全体を温めたいときというように、肌の状態や症状に応じて針そのものを使い分けられます。この使い分けの幅広さが、当院がポテンツァを選んでいる理由のひとつです。
3. 二つめの理由──「熱の入れ方」を切り替えられること
RF(高周波)にも種類があり、大きくモノポーラーとバイポーラーに分かれます。この二つは、熱の広がり方がまったく違います。
マイクロニードルRFの場合、モノポーラーでは、熱が浅いところから深いところへ、縦方向に与えられます。対してバイポーラーでは、隣り合う針と針のあいだに熱が生まれるため、ある一定の深さが横方向に温められます。
薄い層を狙いたいときは、バイポーラーでその層だけを選んで温めるのが理にかなっています。逆に、真皮全体のようにある程度の厚みがある組織を温めたいときは、モノポーラーで浅い部分から深い部分までを縦にカバーするほうが適しています。
ポテンツァは、同じ針を使ったままモノポーラーとバイポーラーを切り替えられます。狙う層やポイントを、その場で細かく設定し直せるということです。
同じ頬でも、設定は一つではない
たとえば頬の毛穴が気になる場合。頬の中央と側面とでは毛穴の開き方が違いますから、顔じゅうを同じ設定で照射しても、望む結果にはなりません。部位に応じてモノポーラーとバイポーラーを切り替える、あるいは同じ部位に両方を使う。こうした使い分けによって、より少ない回数で、狙った変化に近づけていくことができます。

針とRF、この二つの調整を細かく組み合わせられることが、当院がポテンツァを使い続けている理由です。
一方で、こうした特性を理解して使いこなすには相応の経験が必要で、そのことが「同じ機器なのに、受ける施設によって結果が変わる」という状況を生んでいるのも事実です。ここは、機器を扱う私たち医師の側の課題だと考えています。
4. 講演を終えて
今回のイベントでは、この「針」と「熱の入れ方」という二点について理解を深めていただくための講演を行いました。機器の持つ特性、エネルギーの持つ特性を理解し、結果を予測しながら使う。そのための考え方をお伝えしたつもりです。


マイクロニードルRFという技術がさらに洗練され、より多くの施設でよい結果が得られるようになるよう、これからも国内外での発信を続けていきたいと思います。


そして、この治療をご検討中の方に一つだけお伝えするとすれば、「どの機器か」と同じくらい、「その機器をどう使うか」が結果を左右するということです。カウンセリングの際は、どの深さに、どんな設定で照射するのかを遠慮なく尋ねてみてください。
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よくある質問
マイクロニードルRFは、どんな悩みに向いている治療ですか?
毛穴の開き、ニキビ痕の凹凸、肌のハリのゆるみなどに用いられることが多い治療です。ただし、肌の状態によって適する治療は異なりますので、まずは診察のうえでご提案しています。
痛みやダウンタイムはありますか?
針を用いる治療のため、照射時に痛みを感じることがあります。当院では麻酔クリームを使用しています。治療後は一時的な赤み・むくみ・かさぶた・内出血が生じることがあり、程度や続く期間には個人差があります。診察時に目安をお伝えします。
何回くらい受ける必要がありますか?
お悩みの内容と肌の状態によって異なります。複数回に分けて行うことが多いですが、回数や間隔は診察のうえで個別にご相談しています。
色素沈着が心配です。受けても大丈夫でしょうか?
色素沈着のリスクは、照射する深さや熱量の設定と関わります。当院では針の種類やRFの設定を調整して対応していますが、リスクがゼロになるわけではありません。日焼け直後の方や、過去に色素沈着を起こしたことがある方は、必ず診察時にお申し出ください。
費用はどのくらいかかりますか?
自由診療(健康保険が適用されない治療)です。照射範囲や使用する針の種類によって異なりますので、カウンセリングの際にご案内しています。
治療をご検討の方へ
- 効果の程度や持続期間には個人差があります。すべての方に同じ結果が得られることを保証するものではありません。
- 治療後、一時的な赤み・腫れ・むくみ・かさぶた・内出血・痛みが生じることがあります。まれに炎症後色素沈着や色素脱失、瘢痕(はんこん)が生じる可能性があります。
- 日焼け直後の方、妊娠中・授乳中の方、金の糸など体内に金属が入っている方、ペースメーカーを使用されている方など、治療を受けられない場合があります。診察時に必ずご申告ください。
- 本記事で紹介した治療は自由診療(健康保険が適用されない治療)です。費用はカウンセリング時にご案内しています。
- ポテンツァBASIC(医療機器承認番号 30500BZI00042000)/【使用目的又は効果】審美性の改善のための皮膚のフラクショナルリサーフェシングを目的とした軟組織の凝固及び蒸散に使用する。
- 記事中の写真は学会・セミナーでの講演風景です。医療者向けの講演内容を、患者さんに向けて分かりやすく再構成しています。
お一人おひとりの肌の状態を診たうえで、どの深さに、どんな設定で治療するのが適しているかをご説明します。
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