国際会議|どのモノポーラーRFが「一番合っている」のか ― XERF国際ラウンドテーブル参加報告

シワ・たるみ

GRACE JOURNAL | グレイスジャーナル

Cynosure Lutronic「APAC XERF XPERT Roundtable Bangkok 2026」参加報告

2026年6月19日|奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

医療法人社団光悠会 理事長/ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

この記事の要点

2026年6月19日、タイ・バンコクで開かれた「APAC XERF XPERT Roundtable」(Cynosure Lutronic主催)に参加しました。
テーマは、モノポーラーRF(高周波で肌の深いところに熱を入れ、引き締めをはかる治療)の機器XERF(ザーフ)を、どう最適化していくか。デンシティ、ボルニューマ、オリジオと機器が増え続けるいま、大切なのは「どの機器が一番か」ではなく、「どの症状に、どの深さへ、どれだけの熱が必要か」という診断です。アジア太平洋地域の専門家たちと交わした議論をご紹介します。

はじめに

2026年6月19日、タイ・バンコクにて、モノポーラーRF機器「XERF(ザーフ)」をテーマとした専門家会議「APAC XERF XPERT Roundtable」(Cynosure Lutronic主催)が開かれ、アジア太平洋地域の医師の一人として参加してまいりました。

ラウンドテーブル(円卓会議)とは、講演のように一方向に話すのではなく、各国の専門家が同じテーブルにつき、それぞれの経験と意見を出し合う形式の会議です。今回の議題は、この新しい機器をどう使いこなし、どう最適化していくか。本稿では、その議論の背景にある「モノポーラーRF機器の選び方」というテーマについてお話しします。

APAC XERF XPERT Roundtable Bangkok 2026の会場入口バナー
会場入口にて──APAC XERF XPERT Roundtable Bangkok 2026

1. 増え続けるモノポーラーRF機器

デンシティ(Density)、ボルニューマ(Volnewmer)、オリジオ(OligioX)、そしてザーフ(XERF)。枚挙にいとまがないほど、現在の美容医療ではモノポーラーRF機器が増えました。

RFとは高周波のこと。肌の外側からエネルギーを与え、組織を内側から温める仕組みです。20年以上の歴史を持つサーマクール(Thermage)を筆頭に、「しっかりとした熱を皮膚の深いところに入れることで、引き締め(タイトニング)をはかる」というコンセプトのもと、モノポーラーRFは現在の美容医療のトレンドを牽引している治療のひとつといえます。

XERFのセッションスライド「New standard of regenerative aesthetics」
セッションのスライドより

2. なぜ「どれが一番合っているか」を選べないのか

どれが自分の顔・自分の症状に一番合っているのか。おそらく、高周波治療を受けようと考えている方が一番迷うのはここだと思います。

ある機種は「このデバイスが最も深くまで熱が入る」と謳い、またある機種は「このデバイスが最も肌が若返る」と謳っている。そこに経験談が加わります。「私はこれを使ったらすごく効果があった」「あれは効果がなかった」。こうした情報のなかから自分に最適なものを選ぶのは、非常に困難です。

「似ている人に効いたのに、私には効かなかった」が起きる理由

実際、「私と似ている感じの人が『効果があった』と言っていたからやってみたのに、変化を感じられなかった」という方は少なくありません。

その原因の一端は、「どの状況で、どの症状に、どの効果が必要だったのか」がまったく診断されないまま、治療が行われていることにあると考えられます。同じ「たるみ」という言葉でも、起きている場所も、原因となっている構造も、必要な熱の量も、人によってまったく違うからです。

APAC XERF XPERT Roundtableのセッションで議論する各国の医師たち
セッションの様子

3. 機器を「最適化する」とはどういうことか

私たちのような「治療をするだけでなく、機器の開発に関わる医師」は、この状況を憂慮しています。機器を正しく使うためには、その前提として、次のような基本的な条件を整理しておく必要があります。

  • どんな症状に、どの程度のエネルギーを使うべきか
  • ハンドピース(照射する器具)は固定すべきか、動かすべきか
  • 熱を入れる層(深さ)はどう調整するか──冷却を強めるのか、そもそものRFエネルギーを弱めるのか
  • どの構造に対して、どの周波数を使うべきか

こうした条件が分かったうえで、はじめて「何を選択すべきか」を考えることができます。これを多くの医療従事者に知ってもらう必要があります。

これは、「ほうれい線が気になるということですので、このあたりにしっかり熱を入れますね」という感覚的・曖昧なものではありません。顔の構造(解剖学)、熱を生む原理(物理学)、熱に対する組織の反応(生物学)──すべての側面から機器を評価し、最適化していく。臨床と基礎医学の融合が必要なのです。

4. ラウンドテーブルで議論されたこと

今回のラウンドテーブルでは、アジア太平洋地域のエキスパートが集結し、個々の経験と意見を交わしながら、いかにこの機器(XERF)を最適化していくかが議論されました。

私たち美容医療に関わる医師には、自分たちの技術・知識だけでなく、世界中の知見をまとめ上げ、安全で効果的な治療をつくり上げていく責任があると考えています。

APAC XERF XPERT Roundtableに参加した各国の医師たちの集合写真
参加された各国の先生方と
セッション後に記念撮影をする参加医師たち
セッションを終えて

最後に、高周波治療をご検討中の方に一つだけお伝えするとすれば、「どの機器が一番か」という問いを、「自分の顔には、どこに、どれだけの熱が必要か」という問いに置き換えてみてください。カウンセリングの際は、なぜその機器なのか、どの深さをどんな設定で狙うのかを、遠慮なく尋ねてみてください。

機器の名前ではなく、診断が結果を決めます。

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よくある質問

モノポーラーRFは、どんな悩みに向いている治療ですか?

フェイスラインのゆるみ、頬のたるみ、肌のハリの低下などに用いられることが多い治療です。ただし、たるみの原因となっている構造は人によって異なり、適する治療も変わりますので、まずは診察のうえでご提案しています。

機器がたくさんありますが、どれを選べばよいですか?

機器の名前から選ぶ必要はありません。大切なのは、ご自身の症状に「どの深さへ、どれだけの熱が必要か」という診断です。同じ機器でも、設定や使い方によって結果は変わります。診察の際に、その方の状態に合わせた考え方をご説明しています。

痛みやダウンタイムはありますか?

照射中に熱感や痛みを感じることがあります。治療後は一時的な赤みやむくみが生じることがあり、程度や続く期間には個人差があります。診察時に目安をお伝えします。

1回で効果はありますか?何回くらい必要ですか?

効果の感じ方や持続には個人差があります。症状や目標によって適切な回数・間隔は異なりますので、診察のうえで個別にご相談しています。

治療をご検討の方へ

  • 効果の程度や持続期間には個人差があります。すべての方に同じ結果が得られることを保証するものではありません。
  • 高周波(RF)治療では、治療後に一時的な赤み・腫れ・熱感・むくみが生じることがあります。まれに水疱・やけど・一時的な神経の違和感などが生じる可能性があります。
  • 妊娠中・授乳中の方、ペースメーカーなどの体内埋め込み機器を使用されている方、治療部位に金属や糸が入っている方など、治療を受けられない場合があります。診察時に必ずご申告ください。
  • 本記事で紹介した治療は自由診療(健康保険が適用されない治療)です。費用はカウンセリング時にご案内しています。
  • 本記事は医療者向けの専門家会議の参加報告です。特定の機器の効果を保証したり、機器間の優劣を示したりするものではありません。記事中の機器名は各社の商標または登録商標です。
  • 記事中の写真は、主催者の許可のもと撮影された会議の様子です。

たるみやフェイスラインのお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。
お一人おひとりの顔の構造を診たうえで、どこに、どれだけの熱を入れる治療が適しているのかをご説明します。
カウンセリングのご相談はこちら →

奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

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