講演|虎ノ門ヒルズ Jeisys Users Meeting ― 臨床試験を経てピコシュアプロを紹介

シミ

ヒルズグレイスクリニック院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

院長 奥 謙太郎|2022年3月28日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)

この記事の要点

2022年、東京・虎ノ門ヒルズで開かれたJeisys Users Meetingで、私は新しいピコレーザー「ピコシュアプロ(PICOSURE pro)」について講演しました。私はCynosure社のAdvisory board memberとして開発段階から携わり、2021年秋に完成した第1号機が当院に導入されています。臨床試験の期間を経て、この会で新しい機器を紹介しました。海外で開発された機器をどう日本人向けに合わせていくかが、当時の私のポイントでした。効果の出方には個人差があります。

Jeisys Users Meeting(ピコシュアプロ日本初披露)の様子

はじめに

世界では技術の進歩が目覚ましく、毎年のように新しい機器が開発されています。ただ、その多くは海外で生まれたもので、そのまま日本人の敏感な肌に使えるわけではありません。2022年、私は開発に関わってきたピコシュアプロを、虎ノ門ヒルズの会場で紹介する機会をいただきました。そのときの講演を振り返ります。

1. 海外で生まれた機器を、日本人の肌に合わせて調整する

新しく登場する機器の多くは、海外で開発されていました。それをいかに日本人向けに合わせていけるか。それが、私が考えていたポイントでした。

当時のあざみ野ヒルズスキンクリニック(現 ヒルズグレイスクリニック)は、それまでにいくつかの機器で、アジア太平洋地域での導入施設に選ばれていました。各機器での治療効果の引き出し方や使い方のコツについて、講演や技術指導もさせていただいてきました。

導入施設に選ばれたのは、次の3つの機器です。

  • テンプシュア:たるみ改善・リフトアップ用の高性能RF(高周波)機器
  • スティムシュア:深部の筋肉を刺激するボディメイク用の機器
  • ポテンツァ:ニキビ・毛穴治療用のニードルRF(針を使った高周波)機器

2. Advisory board memberとして関わったピコシュアプロ

そして2021年秋、そのラインナップにもう1台が加わりました。PICOSURE pro(ピコシュアプロ)です。前身のピコシュアに大幅な改良を加えた、当時最新のピコレーザーです。ピコレーザーは、ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い時間でレーザーを照射する機器を指します。

私はCynosure社のAdvisory board memberとして、PICOSURE proの開発に携わらせていただきました。完成した第1号機が導入されたのは、私たちのクリニックです。

ピコシュアとの違いとして、「レーザーが作用する深さ」と「レーザーのエネルギー」が挙げられます。どのような照射が適しているかは、シミの種類や深さ・厚さによって変わります。

3. 臨床試験の期間を経て、虎ノ門ヒルズで講演

第1号機の導入から約半年の臨床試験期間を経て、虎ノ門ヒルズで開かれたJeisys Users Meetingで講演の機会をいただきました。当時、PICOSURE proを日本で初めてご紹介する場となりました。

講演でお伝えしたのは、PICOSURE proがこれまでのピコシュアとは大きく異なる機器だということです。当院で使っていたピコシュアも非常に優秀なレーザーでしたが、結果を出すには「回数」が必要でした。

PICOSURE proでは、深く厚いシミの治療でも、より少ない回数での改善が期待できる。これが、講演の時点での私の考えでした。ただし、必要な回数や期間はシミの種類や深さ・厚さによって変わり、個人差があります。

4. その後の講演と、横浜あざみ野での診療

この講演のあと、2022年は日本形成外科学会総会、日本美容外科学会(JSAS)、日本美容皮膚科学会などで、PICOSURE proについてお話しする機会が続きました。日本形成外科学会総会では50分の時間をいただき、従来のピコレーザーとの違い、効果的な使用法、使用上の注意点までお話ししています。

同じ年のJAPAN MEDICAL BEAUTY EXPOでは、「最新ピコ秒アレキサンドライトレーザーによる有用性」というテーマで、PICOSURE proの作用原理や、シミ治療と肌質改善の違い、両者を組み合わせた治療について解説しました。

2022年の当院では、シミの種類に合わせた照射をお顔全体に行い、今気になっているシミと、まだ目に見えない隠れたシミを同時に治療するという考え方をとっていました。シミの見え方や肌の状態は一人ひとり異なり、効果の出方にも個人差があります。どの治療が適しているかは、診察で肌の状態を確かめたうえで判断します。

よくある質問

ピコシュアプロ(PICOSURE pro)とはどんなレーザーですか?

前身のピコシュアに大幅な改良を加えたピコレーザーです。私はCynosure社のAdvisory board memberとして開発に携わり、2021年秋に完成した第1号機が当院に導入されました。ピコシュアとの大きな違いは、レーザーが作用する深さと、レーザーのエネルギーです。シミの治療や肌質の改善が期待できますが、効果には個人差があります。

海外で開発された美容機器は、日本人の肌にもそのまま使えますか?

私は、海外で開発された機器をそのまま日本人の肌に使うことはできず、日本人向けにどう整えるかが大切だと考えてきました。当院では、テンプシュア、スティムシュア、ポテンツァなどについて、治療効果の引き出し方や使い方のコツを講演や技術指導でお伝えしてきました。適した設定や照射方法は肌の状態によって異なり、効果にも個人差があります。詳しくは診察でご相談ください。

ピコシュアとピコシュアプロで、治療回数は変わりますか?

当院で使っていたピコシュアでは、深く厚いシミの治療に回数が必要でした。ピコシュアプロでは、より少ない回数での治療が期待できます。ピコシュアとの違いとしては、レーザーが作用する深さとエネルギーが挙げられます。ただし、必要な回数や期間はシミの種類や深さ・厚さで変わり、個人差があります。適応は診察で判断します。

おわりに

この会で紹介したPICOSURE proについては、その後も各地の学会で講演を重ねました。日本形成外科学会総会での講演記録や、ピコシュアプロによるシミ治療の記事もあわせてご覧ください。

シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →

本記事は学会・講演活動の記録であり、特定の治療の効果を保証するものではありません。記載の治療は自由診療(保険適用外)を含み、効果・経過・副作用には個人差があります。一部の医療機器・医薬品は国内未承認です。治療については診察時に適応・リスク・費用をご説明します。
奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

TREATMENT INFORMATION

治療について

施術名
PICOSURE pro(ピコシュアプロ)によるシミ治療
公開年齢
記載なし(講演で紹介した代表症例のため、年齢の記載がありません)
診療区分
自由診療(保険適用外)
使用量・部位
シミに対する照射の症例です。記事では従来機ピコシュアで4回治療した症例と、ピコシュアプロで1回治療した症例を比較して紹介しています。講演で示した代表症例のため、照射範囲・出力などの設定の記載はありません。実際の照射範囲・回数・設定は診察で個別に決定します。
公式料金の目安
ピコ秒アレキサンドライトレーザー PICOSURE pro(ピコシュアプロ)の本体

PICOSURE pro(ピコシュアプロ)

全顔 1回 82,500円(表面麻酔代別)

上記はクリニック公式案内の料金の目安です(税込・2026年10月時点)。記事は2022年3月の講演報告で、当時の料金は記載していません。表面麻酔代は別途かかります。診察・診断料は施術費用とは別に発生します(初めてご来院の方11,000円、前回のご来院から24か月以内の方1,100円、25か月以上の方11,000円)。料金や内容は変更される場合があります。

主な副作用・リスク
PicoSure Proでは、皮膚の不快感、赤み、腫れ、点状出血、内出血、水疱、かさぶた、膿疱、色素沈着、色素脱失、熱傷、瘢痕、感染、アレルギー反応などが起こることがあります。多くは一過性ですが、症状や経過には個人差があります。
未承認医療機器に関する事項
本記事で紹介する治療に未承認医療機器は使用していません。PicoSure Proは国内承認医療機器です(承認番号 30500BZX00079000/一般的名称:アレキサンドライトレーザ/使用目的又は効果:体表面の表在性及び深在性良性色素性病変の治療、又は外傷性並びに入墨による刺青の蒸散及び除去)。ニキビ・ニキビ痕・毛穴・小じわ・肌質・肝斑を目的とする照射は、承認された使用目的の範囲外の適応外使用です。
Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

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