GMI 2025|奥 謙太郎|第6〜10回セッションとXcelerator Edge 教育プログラムの記録

学会・セミナー

ヒルズグレイスクリニック院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

GMI 2025|奥 謙太郎|公開 2025年12月31日(2025年のGMIセッション・教育プログラム7件を1本の記録にまとめたものです。各回の詳しい記録は、それぞれの記事でご覧いただけます。)

この記事の要点

2025年、ヒルズグレイスクリニック内の教育機関GMI(Global Medical Institute)はセッションを第6回から第10回まで開催し、アルバニア・中国・APAC・香港など各国の医師を迎えました。テーマはポテンツァ、ピコシュアプロ、テンプシュア、そしてこれらを組み合わせたCynoGlowなど多岐にわたります。10月には新たな教育プログラム「Xcelerator Edge」も始動し、機器の使い方にとどまらない「思考のプロセス」を伝える取り組みが始まりました。本記事では、院長 奥謙太郎が1年間のGMI活動を振り返ります。

はじめに

GMI(Global Medical Institute)は、ヒルズグレイスクリニック内に設立された医師向けの教育機関です。国内外の医師を招き、ピコシュアプロやポテンツァ、テンプシュアといった機器の理論とライブデモンストレーションを通じて、機器の使い方だけでなく肌質や症状に応じた設定の考え方を伝えています。Xcelerator Edge(エクセラレーター・エッジ)は2025年に始動した新しい教育プロジェクトで、特定の機器の使い方ではなく、医師自身が肌の状態を分析し治療を組み立てる「思考のプロセス」をトレーニングすることを目的としています。

2025年は、GMIのセッションを第6回から第10回まで開き、アルバニア、中国、インドネシア、台湾、マレーシア、シンガポール、香港など、欧州からアジアまで多様な国と地域の医師を迎えました。ピコシュアプロ、ポテンツァ、テンプシュア、サイノグローを扱い、機器の設定だけでなく、肌の状態に応じた治療の組み立て方をお伝えしています。

この年の主な出来事です。

  • 1月のセッションでは、これまでAPAC地域が中心だったGMIに、東欧・アルバニアから9名の医師を迎えました。
  • 4月のセッションでは、参加した医師の一人が翌日に自ら患者として治療を受けに再訪しました。
  • 10月には新しい教育プログラム「Xcelerator Edge」が始動し、機器の使い方ではなく医師の思考プロセスを鍛える講義が行われました。
  • 11月には香港・インドネシアの医師団を迎え、第10回という節目のセッションを迎えました。

この記事は、当時グレイスジャーナルに書いたGMI・教育プログラムの報告記事を、1本にまとめ直したものです。

各セッションの内容は当時の報告に基づいています。治療の効果や経過には個人差があり、扱った治療の多くは自由診療です。

1. 2025年のGMIセッション・プログラム一覧

2025年に開いた第6〜10回のセッションと、教育プログラムXcelerator Edgeの2回を日付順に並べました。項目名から、それぞれの回の内容へ移動できます。

2025年のGMIセッション・プログラム一覧(院長 奥 謙太郎)
日付 学会・イベント 開催地 内容
1月16日 GMI|第6回セッション|アルバニアからの医師を迎えて:肌質に合わせた「ポテンツァ×CynoGlow」の真髄 アルバニア(参加医師9名) アルバニアの医師9名とポテンツァ・サイノグロー
4月3日 GMI 第7回:「ピコシュアプロ」の精密設定と肌の「再活性化」 中国 ピコシュアプロの設定とテンプシュア
5月15日 GMI|第8回セッション|APACの医師たちへ贈る「CynoGlow」の本質 インドネシア・台湾・マレーシア・シンガポール(APAC地域) APACの医師とサイノグローのマニュアル設定
8月7日 GMI|第9回セッション|APAC医師団と深める「テンプシュア」:線維芽細胞を育むポストトリートメントの真髄 APAC地域 テンプシュアによるポストトリートメント
10月16日 GMI|Xcelerator Edge 始動:美容医療の「本質」を極めるための教育プログラム — Xcelerator Edgeが始動
11月13日 GMI|Xcelerator Edge 第2回:シミ治療を「再考」する — THINK AGAIN — XE第2回、シミ治療の前提を再考
11月27日 GMI|第10回セッション|香港・インドネシア医師団と導く「ピコシュアプロ」の真髄 香港・インドネシア 第10回、香港・インドネシアとピコシュアプロ

2. セッションで扱った治療

この年のGMIで繰り返し扱ったのは、次の治療です。当院での料金・リスク・承認状況は、記事の後半「治療について」にまとめています。

ピコシュアプロ(PicoSure Pro)

ピコ秒アレキサンドライトレーザー PicoSure Pro(ピコシュアプロ)の本体

PicoSure Proピコシュアプロ

ピコ秒(1兆分の1秒)単位でレーザーを照射する機器で、GMIでは「切れ味のよいナイフのような機器」とお話ししました。ターゲットのシミやアザを正確に捉えなければ改善しないばかりか、周りの組織にダメージを与えてしまいます。4月の第7回では、前年に中国でピコシュアプロが発売された際の現地での解説から踏み込み、肌の状態やレーザーの特性を把握せずに高い出力(ハイフルエンス)を選ぶと、炎症後色素沈着(炎症のあとに残るしみ)につながることと、そのリスク管理を実践を通じて伝えました。

11月の第10回は、香港・インドネシアの医師と、ピコシュアプロの使い方に絞った回でした。設定項目が細かい分、使い手の意図がそのまま結果に表れること、どの深さにターゲットがあり、どの程度の強さが適しているかの判断が要になることを、参加者の疑問に答える双方向の形式とライブデモンストレーションで扱いました。同じ11月のXcelerator Edge第2回では、レーザーやIPL(光治療)を選ぶ前に確かめる「シミ治療の前提条件」を考えました。必要な回数や効果には個人差があります。

サイノグロー(CynoGlow™)とポテンツァ

ピコ秒アレキサンドライトレーザー PicoSure Pro(ピコシュアプロ)の本体

PicoSure Proピコシュアプロ

マイクロニードルRF ポテンツァプライムの本体

POTENZA PRIMEポテンツァプライム

サイノグローは、ピコ秒レーザーのピコシュアプロと、極細の針から高周波(RF)を流すマイクロニードルRF「ポテンツァ」を同じ日に組み合わせる、当院が提唱する複合治療です。2つの機器を当てるだけでなく、なぜこの組み合わせが必要なのかという理論から伝えました。1月の第6回では、東欧・アルバニアの医師9名と、メラニン(肌の色をつくる色素)が少なく赤みや光老化が出やすいフィッツパトリックスキンタイプ(FST:肌のタイプの分類)1〜2の肌と、アジア人の肌(FST3〜4)とで、同じ設定でも吸収される熱や回復の過程が異なることを扱いました。

5月の第8回では、インドネシア・台湾・マレーシア・シンガポールの医師と、ポテンツァのマニュアルモードに多くの時間を割きました。肌の厚み、インピーダンス(電気の流れにくさ)、炎症の状態に応じて、狙った層にエネルギーを届けること、照射中の肌の反応から設定を微調整することを、講義と実践でお伝えしました。現在、当院の公式案内でご紹介しているポテンツァはポテンツァプライムで、国内未承認医療機器です。複数の機器を組み合わせる治療の有効性・安全性は十分に確立されておらず、効果や経過には個人差があります。

テンプシュア(TempSure)

高周波(RF)治療機器 TempSure(テンプシュア)の本体

TempSureテンプシュア

テンプシュアは、モノポーラーRF(単極の高周波)の機器です。肌の温度を一定に保つ制御の仕組みを持ち、真皮(表皮の下にある、肌のハリを支える層)を上がりすぎない温度でゆっくり温めます。8月の第9回では、線維芽細胞(コラーゲンなどをつくる細胞)の活性化と、皮下のリンパ組織に働きかける循環の改善という2つのアプローチとして解説しました。当院では2019年から臨床に取り入れ、レーザーやRF治療の約4週間後から行うポストトリートメント(治療後のケア)として位置づけています。

4月の第7回では、皮膚の厚さ、骨までの距離、皮下組織の構造といった部位ごとの特性を考えて熱を導くことを、第9回では、熱を伝える方向やリンパの流れを促すストロークなど、施術の「流れ」の組み立て方を扱いました。APAC地域では、2025年から導入が本格化する国が多いこともお話ししました。テンプシュアは国内未承認医療機器です。感じ方や変化の程度には個人差があります。

BEAUTY NAVI(hillspremium.com)は、当院で治療を受けた患者様の口コミを掲載するサイトです。掲載内容は個人の感想で、効果や感じ方には個人差があります。

3. 各セッションの記録

GMI第6回セッションでアルバニアの医師団と行ったポテンツァのライブデモンストレーションの様子

GMI|第6回セッション|アルバニアからの医師を迎えて:肌質に合わせた「ポテンツァ×CynoGlow」の真髄の様子GMI|第6回セッション|アルバニアからの医師を迎えて:肌質に合わせた「ポテンツァ×CynoGlow」の真髄の様子GMI|第6回セッション|アルバニアからの医師を迎えて:肌質に合わせた「ポテンツァ×CynoGlow」の真髄の様子

2025年1月16日

GMI|第6回セッション|アルバニアからの医師を迎えて:肌質に合わせた「ポテンツァ×CynoGlow」の真髄

  • 開催地アルバニア(参加医師9名)
  • 登壇院長 奥謙太郎

テーマ FST1-2の肌質に合わせたポテンツァの設定とCynoGlowの理論

東欧・アルバニアから9名の医師を迎え、第6回GMIトレーニングセッションを開催しました。

肌質が異なれば、同じ機器でも設定の考え方を変える必要があることを、アルバニアの医師団との対話を通じて伝えました。

GMI第7回セッションでのピコシュアプロに関する講義・デモンストレーションの様子

GMI 第7回:「ピコシュアプロ」の精密設定と肌の「再活性化」の様子GMI 第7回:「ピコシュアプロ」の精密設定と肌の「再活性化」の様子GMI 第7回:「ピコシュアプロ」の精密設定と肌の「再活性化」の様子

2025年4月3日

GMI 第7回:「ピコシュアプロ」の精密設定と肌の「再活性化」

  • 開催地中国
  • 登壇院長 奥謙太郎

テーマ ピコシュアプロの精密設定とテンプシュアによる肌の再活性化

中国からのドクターを迎え、第7回GMIトレーニングセミナーを開催しました。

理論として学んだ内容を自ら患者として体感することが、技術の習得を後押しする場面がありました。

GMI第8回セッションでAPAC地域の医師団とCynoGlowについて講義する様子

GMI|第8回セッション|APACの医師たちへ贈る「CynoGlow」の本質の様子GMI|第8回セッション|APACの医師たちへ贈る「CynoGlow」の本質の様子GMI|第8回セッション|APACの医師たちへ贈る「CynoGlow」の本質の様子

2025年5月15日

GMI|第8回セッション|APACの医師たちへ贈る「CynoGlow」の本質

  • 開催地インドネシア・台湾・マレーシア・シンガポール(APAC地域)
  • 登壇院長 奥謙太郎

テーマ CynoGlowにおけるポテンツァのマニュアルモードの考え方

インドネシア、台湾、マレーシア、シンガポールなどAPAC地域の医師を迎え、第8回のセッションを開催しました。

プリセットに頼らず、患者ごとの肌状態に合わせて設定を組み立てる考え方をAPACの医師団と共有しました。

GMI第9回セッション(2025年8月7日)会場の様子

GMI|第9回セッション|APAC医師団と深める「テンプシュア」:線維芽細胞を育むポストトリートメントの真髄の様子GMI|第9回セッション|APAC医師団と深める「テンプシュア」:線維芽細胞を育むポストトリートメントの真髄の様子

2025年8月7日

GMI|第9回セッション|APAC医師団と深める「テンプシュア」:線維芽細胞を育むポストトリートメントの真髄

  • 開催地APAC地域
  • 登壇院長 奥謙太郎

テーマ テンプシュアによるポストトリートメントの考え方

APAC地域の医師を迎え、第9回GMIトレーニングセミナーを開催しました。

強いエネルギーで攻めるだけでなく、肌を育むポストトリートメントの考え方をAPACの医師団と共有しました。

Xcelerator Edge第1回セッションの講義風景

GMI|Xcelerator Edge 始動:美容医療の「本質」を極めるための教育プログラムの様子GMI|Xcelerator Edge 始動:美容医療の「本質」を極めるための教育プログラムの様子GMI|Xcelerator Edge 始動:美容医療の「本質」を極めるための教育プログラムの様子

2025年10月16日

GMI|Xcelerator Edge 始動:美容医療の「本質」を極めるための教育プログラム

  • 登壇院長 奥謙太郎

テーマ 新教育プログラム「Xcelerator Edge」の始動

新しい教育プロジェクト「Xcelerator Edge(エクセラレーター・エッジ)」の第1回セッションを開催しました。

特定の設定を覚えるのではなく、肌と対話しながら考える力を養う場として、Xcelerator Edgeが始動しました。

Xcelerator Edge第2回プレローンチ・イベントでの演習の様子

GMI|Xcelerator Edge 第2回:シミ治療を「再考」する — THINK AGAINの様子GMI|Xcelerator Edge 第2回:シミ治療を「再考」する — THINK AGAINの様子GMI|Xcelerator Edge 第2回:シミ治療を「再考」する — THINK AGAINの様子

2025年11月13日

GMI|Xcelerator Edge 第2回:シミ治療を「再考」する — THINK AGAIN

  • 登壇院長 奥謙太郎

テーマ シミ治療(Pigmentation Management)の前提条件を見直す

新しいトレーニングプラットフォーム「Xcelerator Edge(XE)」の第2回プレローンチ・イベントを開催しました。

シミ治療において、レーザー照射の前に確認すべき前提条件を見直す視点を医師同士で深めました。

GMI第10回セッションで香港・インドネシアの医師団とピコシュアプロについて講義する様子

GMI|第10回セッション|香港・インドネシア医師団と導く「ピコシュアプロ」の真髄の様子GMI|第10回セッション|香港・インドネシア医師団と導く「ピコシュアプロ」の真髄の様子

2025年11月27日

GMI|第10回セッション|香港・インドネシア医師団と導く「ピコシュアプロ」の真髄

  • 開催地香港・インドネシア
  • 登壇院長 奥謙太郎

テーマ ピコシュアプロの使いこなしに特化した集中セッション

香港とインドネシアからドクターを迎え、第10回という節目のGMIセッションを開催しました。

同じ機器でも、肌の状態の見極め方によって結果に差が生まれることを、香港・インドネシアの医師団と確認しました。

TREATMENT INFORMATION

治療について

施術名
この記事のGMIセッションで扱った治療:サイノグロー(ピコシュアプロ+ポテンツァプライム)、ピコシュアプロ、ポテンツァプライム、テンプシュア(POST TREATMENT〈テンプシュア+デルマシオ〉)
診療区分
自由診療(保険適用外)
使用量・部位
この記事でご紹介したのは医師向けのGMIセッションの内容で、特定の症例の治療内容を示すものではありません。照射の範囲・設定・回数、組み合わせるかどうかは、診察で肌の状態を確認したうえで個別に決めます。
公式料金の目安
サイノグローで使用するマイクロニードルRFポテンツァプライムの本体

サイノグロー(ピコシュアプロ+ポテンツァプライム)

全顔 1回 181,500円

ピコ秒アレキサンドライトレーザー PicoSure Proの本体

PICOSURE pro

全顔 1回 82,500円

マイクロニードルRF ポテンツァプライムの本体

ポテンツァプライム

全顔 1回 154,000円

高周波(RF)治療機器 TempSure(テンプシュア)の本体

POST TREATMENT(テンプシュア+デルマシオ)

治療後半年間・月1回まで・1回 33,000円
通常価格(対象外の方・半年経過後)・1回 132,000円

上記はクリニック公式案内の料金の目安です(税込・2026年10月23日時点)。サイノグローは、ピコシュアプロとポテンツァプライムを同じ日に組み合わせる場合の料金です。ピコシュアプロで麻酔を行う場合は、麻酔代が別途かかります。POST TREATMENTの対象は、クロストーク®(CT)・ヒルズシェイプ®(HS)・ヒルズシェイプ® プレミアム(HSP)を当院で受けた方です。テンプシュアは、POST TREATMENT(テンプシュア+デルマシオ)としてご案内しています。診察・診断料は施術費用とは別に発生します(初めてご来院の方11,000円、前回のご来院から24か月以内の方1,100円、25か月以上の方11,000円)。料金や内容は変更される場合があります。

主な副作用・リスク
PicoSure Proでは、皮膚の不快感、赤み、腫れ、点状出血、内出血、水疱、かさぶた、膿疱、色素沈着、色素脱失、熱傷、瘢痕、感染、アレルギー反応などが起こることがあり、シミの部分が一時的に濃く見えることがあります。ポテンツァプライムでは、照射時の痛み、一時的な赤み・むくみ・点状出血・かさぶた・内出血のほか、感染や色素沈着が起こることがあります。テンプシュアでは、紅斑(赤み)、浮腫(むくみ)、稀にやけど等が報告されています。POST TREATMENTで併用するデルマシオでは、刺激感、熱感、赤み(紅斑)、腫れ、乾燥、かゆみ、アレルギー反応等が報告されています。妊娠中・授乳中の方、ペースメーカー等の医療機器を体内に埋め込んでいる方は、照射治療を受けられない場合があります。複数の機器を組み合わせる治療の有効性・安全性は十分に確立されていません。適応、回数、ダウンタイムには個人差があります。
未承認医療機器に関する事項
【ポテンツァプライム/POTENZA PRIME・Jeisys Medical Inc.(韓国)】本治療に使用するポテンツァプライムは、日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。ポテンツァプライムは、製造元からの依頼にもとづき、当院で評価を目的として使用しています。旧機種のポテンツァは、国内販売元であるサイノシュアー・ルートロニック株式会社を通じて入手しています。同じシリーズの機器として、Jeisys Medical Japan株式会社の「ポテンツァBASIC」(承認番号 30500BZI00042000、一般的名称:治療用電気手術器)が、2023年12月に「審美性の改善のための皮膚のフラクショナルリサーフェシングを目的とした軟組織の凝固及び蒸散」を使用目的として承認されています。当院で使用しているポテンツァプライムは、この承認品ではありません。旧機種のポテンツァは、米国FDAの510(k)クリアランス(K192545ほか:皮膚科・一般外科の処置における電気凝固と止血)と、韓国MFDS(食品医薬品安全処)の承認を受けています。ポテンツァプライムとしての各国の承認状況は、現在確認中です。紅斑、腫脹、感染、色素沈着、熱傷などが報告されています。【PicoSure Pro】国内承認医療機器です(承認番号 30500BZX00079000/一般的名称:アレキサンドライトレーザ/使用目的又は効果:体表面の表在性及び深在性良性色素性病変の治療、又は外傷性並びに入墨による刺青の蒸散及び除去。ニキビ痕・毛穴・小ジワ・肌質を目的とする照射は適応外使用です)。【テンプシュア/TempSure Envi・Cynosure, LLC(米国)】本治療に使用するテンプシュアは、日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。国内販売元であるサイノシュアー・ルートロニック株式会社より入手しています。同一の性能を有する国内承認医療機器はありません。米国FDAでは、TempSureシステムとして510(k)クリアランスを取得しています(K171262:2017年9月、最新はK223292:2022年11月)。10・15・20mmのハンドピースは軽度〜中等度の顔のしわの、皮膚を削らない(非アブレーティブな)治療、18・25・30mmなどのハンドピースは痛みの一時的な緩和・筋けいれん・局所の血流増加を目的とした組織の加熱が適応です。当院で行う治療後のケア(ポストトリートメント)や、ハリ・毛穴・むくみを目的とした使用は、米国の適応の範囲外の使用です。主なリスクとして、紅斑、浮腫、稀にやけど等が報告されています。【デルマシオ(POST TREATMENTで併用)】DERMATION(デルマシオ)/欧州製。製造元・製造国は確認中(国内総代理店:NIOMA株式会社)。本治療に使用するデルマシオは、日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。国内代理店であるNIOMA株式会社より入手しています。エレクトロポレーションによる美容成分の経皮導入を目的として国内で承認を受けた医療機器は、当院では確認できていません。製造元のある欧州では、美容施術用の機器として販売されています。医療機器としての承認・認証の状況は確認中です。主なリスクとして、紅斑、腫脹、アレルギー反応等が報告されています。POST TREATMENTで使用する製剤の承認状況は、当院公式サイトのデルマシオのページに記載しています。

よくある質問

GMI(Global Medical Institute)とは何ですか?

GMI(Global Medical Institute)は、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニック内に設立した、当院の医師向けの教育機関です。国内外の医師を招き、機器の理論とライブデモンストレーションを通じて、機器の使い方だけでなく、肌の状態に応じて治療を組み立てる考え方を伝えています。2024年には、当院がCynosure社からGlobal Training Facility(医師に教育を行う施設)の認定を受けました。GMIはヒルズグレイスクリニック内に当院が設立した教育機関で、この認定は当院が受けたものです。

2025年のGMIでは、どんなセッションを行いましたか?

2025年は第6〜10回のセッションを開きました。1月の第6回はアルバニアの医師9名とポテンツァ・サイノグロー、4月の第7回は中国の医師とピコシュアプロ・テンプシュア、5月の第8回はインドネシア・台湾・マレーシア・シンガポールの医師とサイノグロー、8月の第9回はAPAC地域の医師とテンプシュアがテーマでした。11月の第10回では、香港・インドネシアの医師とピコシュアプロを扱いました。10月と11月には、教育プログラムXcelerator Edgeの第1回・第2回も開きました。

Xcelerator Edge(エクセラレーター・エッジ)とは何ですか?

2025年10月に始動した、GMIの新しい教育プログラムです。特定の機器の使い方や設定の数値を教えるのではなく、皮膚の生物学と機器の物理学を理解し、肌の反応を読み取りながら設定を調整していく「考え方」をトレーニングすることを目的にしました。11月の第2回は「Pigmentation Management:THINK AGAIN」をテーマに、参加した医師一人ひとりが色素沈着の原因を分析し、治療の手順を自分の言葉で組み立てる演習を行いました。いずれも本格開始前のプレローンチ・イベントとして開いた回です。

肌質が違うと、治療の設定はどう変わりますか?

1月の第6回では、アルバニアの医師9名と、この点を中心に考えました。メラニンが少なく赤みや光老化が出やすいFST1〜2の肌と、アジア人の肌(FST3〜4)とでは、同じ設定で照射しても、吸収される熱エネルギーも回復の過程も異なります。そのため、肌質に合わせてエネルギー量や照射時間を設定することが欠かせないとお伝えしました。実際の設定は、診察で一人ひとりの肌の状態を確かめて決めるもので、効果や経過には個人差があります。

テンプシュアのポストトリートメントとは、どういう考え方ですか?

強いレーザーやRF治療のあと、約4週間たったころから、肌を穏やかに温めて回復を支えるという考え方です。8月の第9回では、真皮の温度を上がりすぎない範囲に保ちながら、線維芽細胞の活性化と循環の改善を目指すこと、熱を伝える方向やリンパの流れを促すストロークといった施術の「流れ」を、APAC地域の医師と共有しました。テンプシュアは国内未承認医療機器で、承認状況・リスク・料金はこの記事の「治療について」に記載しています。感じ方や変化の程度には個人差があります。

ピコシュアプロのセッションでは、何を伝えましたか?

4月の第7回では、中国の医師と、シミやアザを正確に狙うためのレーザー理論と、高い出力を選ぶときのリスク管理を扱いました。11月の第10回では、香港・インドネシアの医師と、設定項目が細かい分、使い手の判断がそのまま結果に表れること、シミの状態を見極めてターゲットの深さと強さを決めることを、双方向の講義とライブデモンストレーションでお伝えしました。必要な回数や効果には個人差があります。

GMIで扱った治療は、ヒルズグレイスクリニックで受けられますか?

GMIは医師向けの研修で、患者様が受講するものではありません。セッションで扱ったピコシュアプロ、ポテンツァプライム、サイノグロー、テンプシュアは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックの公式サイトでご案内しています。テンプシュアは、デルマシオと組み合わせたPOST TREATMENT(治療後のケア)として行っています。いずれも自由診療(保険適用外)で、ポテンツァプライムとテンプシュアは国内未承認医療機器です。どの治療が合うか、組み合わせるかどうか、回数や費用、起こりうる副作用は、診察で肌の状態を確かめて適応を判断したうえでご説明します。

おわりに

学会や講演でお伝えしていることは、診察室で一人ひとりの患者さんに向き合うときの考え方と同じです。機器の設定や治療の順番には理由があり、その理由を海外の医師と共有し、議論を重ねることで、当院の治療も更新されてきました。この記録が、治療を検討される方の判断材料の一つになれば幸いです。

シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →

本記事は学会・講演活動の記録であり、特定の治療の効果を保証するものではありません。記載の治療は自由診療(保険適用外)を含み、効果・経過・副作用には個人差があります。一部の医療機器は国内未承認です。治療については診察時に適応・リスク・費用をご説明します。
奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

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