海外からのドクターや患者様がいらしたとき、やわらかく英語で橋渡しをする中村さおりさん。
その自然なやり取りは、最初から当たり前にできたものではありませんでした。大学時代に戸井田綾さんと働いたケーキ屋さん、英語が分からないまま幼い娘さんを連れて渡ったアメリカでの10年、帰国後にもう一度立ち止まりながら考えた「自分の人生」のこと。
遠回りに見えた経験の一つひとつが、いまヒルズグレイスで誰かを支える力につながっています。中村さんの歩みをたどると、いくつになっても、自分の人生を選び直すことはできるのだと静かに背中を押されます。
これまで
中村さおりさんの接客の原点をたどると、大学時代のアルバイト先だったケーキ屋さんに行き着きます。そこで一年先に働いていたのが、いまヒルズグレイスでともに働く戸井田綾さんでした。ショーケースに並ぶ生菓子の販売だけではなく、ホテル向けの焼き菓子の発注確認や電話対応、名入れの確認など、学生ながらお店を回す仕事も任されていたそうです。目の前のお客様に感じよく接することと、見えないところの段取りを丁寧に整えること。その両方を、当時の中村さんは自然と身につけていきました。
新卒で入社したのは、水処理に関わる堅実な企業でした。けれど、やがてご家族の海外赴任をきっかけに、まだ幼い娘さんを連れてアメリカへ渡ることになります。英語はほとんど分からない状態。それでも、中村さんは立ち止まりませんでした。
日本人ばかりの環境に入るより、せっかくなら現地の中で暮らしてみたい。そう考えた中村さんは、辞書を片手に、自分の足で娘さんの預け先を探して回ったといいます。気後れするような反応を向けられることもあった中で、話を聞いてくれる場所を見つけ、そこから少しずつ生活を築いていきました。
英語も、最初から学び直したというより、生活の中でぶつかりながら身につけていった感覚に近いそうです。子どもの習い事の場でボランティアに入ったり、現地のお母さんたちの輪に自分から入って会話を重ねたりするうちに、耳が慣れ、言葉が出るようになっていく。完璧でなくても、まず話してみる。通じるまでやってみる。その10年は、中村さんの中に「飛び込んで学ぶ」感覚をしっかり残しました。
帰国後は、まずお子さんたちが新しい環境に馴染むことを最優先に過ごしたそうです。そして少し落ち着いた頃、声をかけてもらって、かつて働いていたケーキ屋さんに戻りました。久しぶりの社会との接点は、どこか懐かしくもあり、自分の手でまた仕事をしている感覚を思い出させてくれる時間でもあったといいます。
人生の選び直し
そんな中村さんにヒルズグレイスのことを伝えたのも、戸井田綾さんでした。先生方の技術のすごさ、そして英語が生きる場面があることを聞き、「もしかしたら、自分の経験が役に立つかもしれない」と思ったそうです。ただ一方で、パートの延長ではない働き方に踏み出すことには、ためらいもありました。
そのとき中村さんの背中を押したのが、娘さんの一言でした。仕事の話をする中で、「どうして、パパの許可がいるの?」と問われ、はっとしたといいます。自分では気づかないうちに、何かを選ぶとき、まず誰かの許可をもらうものだと思い込んでいた。その感覚に自分で気づけたことが、大きな転機になりました。
中村さんは、ここでようやく「自分がやりたいと思った仕事を、自分で選ぶ」という感覚を取り戻していきます。その意味でも、ヒルズグレイスは単なる転職先ではありませんでした。家族を大切にしながらも、家庭の外に「自分が自分でいてよい場所」を持つこと。その実感を、ここで働く中で少しずつ育てていったのだそうです。
声をかけてくれた綾さんは、働き方の重みを曖昧にせず、「本気で飛び込む覚悟ができたら」と何度も伝えてくれたといいます。気軽な延長ではなく、自分の人生として仕事に向き合うこと。その問いを丁寧に渡してくれたからこそ、中村さんもまた、きちんと考えて扉を叩くことができました。
いま中村さんにとって仕事は、ただ任された役割をこなすだけのものではありません。家庭以外にも自分の居場所があると思えること、自分の軸を持ったまま誰かを支えられること、そのどちらも大切な意味を持っています。だからこそ、何か大きな出来事が起きたときも、すぐに「どちらかを諦める」のではなく、整え方を考え、周囲に頼り、仕事を続ける道を探せるようになったと話します。
さおりさんから見た謙太郎先生は
中村さんにとって謙太郎先生は、患者様を見る視点の鋭さだけでなく、スタッフの気持ちの変化まで見抜いてしまうような方です。自分では出していないつもりの迷いや揺れも、すっと気づかれてしまう。その細やかな感覚に、中村さんは何度も驚かされてきたといいます。
さらに印象的なのは、難しいことを難しいまま置かずに、相手に届く言葉へ変えてくださるところ。医療の話は、ともすると専門的になりすぎてしまうものですが、謙太郎先生は患者様がふっと受け取れるような言葉を選び、やさしく、丁寧に説明してくださる。その姿勢に、深い信頼と敬意を抱いているそうです。
さおりさんから見た美香子先生は
美香子先生について中村さんが感じているのは、「自分でも気づいていない特性を見つけてくださる方」ということでした。任せていただいた時には、「本当に私でいいのだろうか」と思うこともあったそうです。けれど、美香子先生は「大丈夫、できるから」と背中を押し、実際にやってみる中で、その人の力が開いていくのを信じてくださるのだといいます。
そうして与えられた機会の中で、中村さんご自身も「自分はこういうことが好きなんだ」「こういう役割が得意なのかもしれない」と気づいていきました。能力を見抜くだけでなく、その人の中にある可能性を引き出してくれる。そんな存在として、美香子先生への感謝を語ってくださいました。
さおりさんのおすすめ美容アイテム
TERASTIE 1 Tone-Up Essence
中村さんが顔にも首にも毎日使っているのが、ヒルズグレイスオリジナルの「TERASTIE 1 Tone-Up Essence」です。年齢とともに気になる変化が出てくる中で、いろいろ重ねて迷うのではなく、「これを続けていれば大丈夫」と思える安心感があることが、いちばんの魅力だそうです。
先生方が開発に関わっているという信頼感もあり、迷わず手が伸びる一本。スキンケアが複雑になりすぎず、それでいて肌への不安が少なくなった感覚があることも、中村さんが長く愛用している理由のひとつです。
そして、これから
これから中村さんが目指しているのは、仲間に「いてよかった」と思ってもらえる存在です。細かなことを丁寧に積み重ねること、困っている人がいたら自分なりのやり方で支えること。その積み重ねが、チーム全体の安心感につながっていけばと考えています。
また、アメリカで過ごした10年の英語も、いま改めて大切な強みとして育てていきたいと話します。海外からのドクターや患者様と向き合う場面で、会話の幅や言葉のニュアンスまで含めて役に立てることがあるかもしれない。遠回りに見えた時間が、ここでようやく仕事の力としてつながっているのです。
患者様に伝えたいのは、「安心して飛び込んできてください」ということでした。先生方の技術や診断力はもちろん、その手前にも、患者様の気持ちを受け止めて支えるスタッフがいる。だからこそ、小さなことでも遠慮なく話していただきたいし、その言葉をきちんと先生方へつなげていきたいと考えています。
これから働いてみたい方へのメッセージにも、中村さんらしさがにじみます。ヒルズグレイスには、仲間を思いやり、困りごとを早く解決しようとする空気があります。何かあっても一人で抱え込まず、オープンにすることで、ちゃんと助けてもらえる場所。だからこそ不安があっても、まずは扉を叩いてみてほしいと話します。
大学時代のケーキ屋さんで学んだことも、アメリカで泣きながら英語で交渉したことも、帰国後にもう一度立ち上がるまでの時間も。どれひとつ無駄ではなく、いまの中村さんのやわらかな強さにつながっています。自分の人生を、誰かの許可ではなく、自分の意志で選び取っていくこと。その静かな決意は、ヒルズグレイスという場所のあたたかさともきれいに重なって見えました。
ヒルズグレイスで働くということ
「不安があっても、まずは扉を叩いてみてほしい」。中村さんのこの言葉は、ヒルズグレイスの採用の考え方とも重なります。これまでの経験の形はさまざまでも、「あなたらしさ」を活かして働ける場所でありたいと考えています。募集中の職種と応募フォームは、採用情報ページにまとめています。








