講演|タイ・チュラロンコン大学でPolnikorn教授とともに ― サイノグローを臨床の視点から

学会・セミナー

ヒルズグレイスクリニック院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

院長 奥 謙太郎|2023年5月の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)

この記事の要点

2023年5月、タイのチュラロンコン大学で開かれたレーザーイベント「PICOSURE focus on versatile revolution」で、私は「レーザートーニング」(弱い出力のレーザーを繰り返し当てる照射法)の考案者として知られるPolnikorn教授とともに講演しました。Polnikorn教授は科学の観点からピコシュア・ピコシュアプロの意義を、私は臨床の観点から、ポテンツァを組み合わせたサイノグローをお話ししました。私たちはともにCynosure社のMedical Advisory Boardの一員です。

タイのイベントでPolnikorn教授と共にの様子

はじめに

同じレーザーを、科学の側と臨床の側から語る。タイでのこのイベントは、そうした役割分担で一つのテーマを掘り下げる場になりました。

1. Polnikorn教授とともに

Polnikorn教授は、「レーザートーニング」の考案者として知られるレーザーの専門家です。私たちはともにCynosure社のMedical Advisory Boardの一員として、医療機器の開発・改良に携わっています。

さらに、北アジアでは当院が、南アジアではPolnikorn教授の施設が、Research & Training Centerに認定されています。

タイのイベントでPolnikorn教授と共にの様子

2. チュラロンコン大学での「PICOSURE focus on versatile revolution」

会場は、タイの名門チュラロンコン大学です。レーザーイベント「PICOSURE focus on versatile revolution」には、各国から多くの医師が集まりました。

Polnikorn教授は科学的な観点から、ピコシュア・ピコシュアプロの重要性について講演されました。一方、私は臨床的な側面から、ピコシュア・ピコシュアプロとマイクロニードルRFのポテンツァを組み合わせた治療法、サイノグローについてお話ししました。

タイのイベントでPolnikorn教授と共にの様子

3. 臨床の視点から見たサイノグロー

サイノグローは、ピコ秒レーザーとマイクロニードルRFを組み合わせ、肌の若返りを促すことを目指して組み立てた治療です。講演では、色素への働きかけと、真皮の細胞外マトリクス(コラーゲンなど肌の土台となる成分)の再構築という二つの面から、その考え方を紹介しました。

サイノグローで使うピコシュアプロは国内承認の医療機器ですが、ニキビ・ニキビ痕・毛穴・肌質を目的とする照射は承認された使用目的の範囲外(適応外使用)です。現在使用しているポテンツァプライムは国内未承認医療機器です。料金・リスク・承認状況は、この記事の「治療について」に記載しています。効果や経過には個人差があります。

タイのイベントでPolnikorn教授と共にの様子

4. 質疑応答から得たもの

各国から集まった医師と、活発に質疑応答を行いました。参加者の多様な背景と専門知識に触れることで、私自身の知識を補い、新しい視点を得ることができました。

タイのイベントでPolnikorn教授と共にの様子

よくある質問

Polnikorn教授とは、どんな方ですか?

「レーザートーニング」の考案者として知られるレーザーの専門家です。院長 奥謙太郎とともにCynosure社のMedical Advisory Boardの一員で、南アジアでは教授の施設が、北アジアでは当院がResearch & Training Centerに認定されています。

サイノグローは、どんな考え方の治療ですか?

ピコ秒レーザーのピコシュアプロと、マイクロニードルRFのポテンツァを組み合わせ、色素への働きかけと、肌の土台となる成分の再構築の両面から肌の若返りを目指す治療です。現在使用しているポテンツァプライムは国内未承認医療機器で、自由診療です。

講演で紹介した治療の、承認状況や費用は?

いずれも自由診療(保険適用外)です。合うかどうか、回数や費用、起こりうる副作用は、診察で肌の状態を確かめたうえでご説明します。料金・リスク・承認状況は、この記事の「治療について」に記載しています。

おわりに

同じレーザーを、科学の側と臨床の側から語った講演でした。北アジアと南アジアのResearch & Training Centerとして、これからも知見を共有していきます。

シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →

本記事は学会・講演活動の記録であり、特定の治療の効果を保証するものではありません。記載の治療は自由診療(保険適用外)を含み、効果・経過・副作用には個人差があります。一部の医療機器・医薬品は国内未承認です。治療については診察時に適応・リスク・費用をご説明します。
奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

TREATMENT INFORMATION

治療について

施術名
サイノグロー(ピコシュアプロ全顔+ポテンツァ全顔)
公開年齢
記載なし(講演スライドの代表症例のため、年齢の記載がありません)
診療区分
自由診療(保険適用外)
使用量・部位
講演で紹介した代表症例:サイノグローを計3回(ピコシュアプロ3回+ポテンツァ3回)。症例当時は旧機種のポテンツァを使用しています。スライドに治療間隔や照射設定の記載はありません。実際の照射範囲・設定は診察で個別に決めます。
公式料金の目安
サイノグローで使用するマイクロニードルRF ポテンツァプライムの本体

サイノグロー(ポテンツァプライム+ピコシュアプロ)

全顔 1回 181,500円

ピコ秒アレキサンドライトレーザー PICOSURE pro(ピコシュアプロ)の本体

PICOSURE pro(ピコシュアプロ)

全顔 1回 82,500円(表面麻酔代別)

マイクロニードルRF ポテンツァプライムの本体

ポテンツァプライム

全顔 1回 154,000円

上記はクリニック公式案内の料金の目安です(税込・2026年10月20日時点)。サイノグローは、ポテンツァプライムとピコシュアプロを同じ日に組み合わせる場合の料金です。講演当時の記事に記載していた料金は当時のもので、現在の料金とは異なります。ピコシュアプロの表面麻酔代は別途かかります。診察・診断料は施術費用とは別に発生します(初めてご来院の方11,000円、前回のご来院から24か月以内の方1,100円、25か月以上の方11,000円)。実際の費用、照射範囲、回数は診察時にご確認ください。料金や内容は変更される場合があります。

主な副作用・リスク
PICOSURE proでは、皮膚の不快感、赤み、腫れ、点状出血、内出血、水疱、かさぶた、膿疱、色素沈着、色素脱失、熱傷、瘢痕、感染、アレルギー反応などが起こることがあり、シミの部分が一時的に濃く見えることがあります。ポテンツァプライムでは、赤み、腫れ、むくみ、痛み、点状出血、内出血、かさぶた、リンパ液の浸出、感染、色素沈着、色素脱失、熱傷、瘢痕などが起こることがあります。複数の機器を組み合わせる治療の有効性・安全性は、十分に確立されていません。多くは一過性ですが、症状や経過、効果、回数、ダウンタイムには個人差があります。
未承認医療機器に関する事項
【ポテンツァプライム/POTENZA PRIME・Jeisys Medical Inc.(韓国)】承認状況:本治療に使用するポテンツァプライムは、日本国内において医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。入手経路:ポテンツァプライムは、製造元からの依頼にもとづき、当院で評価を目的として使用しています。講演の症例で使用した旧機種のポテンツァは、国内販売元であるサイノシュアー・ルートロニック株式会社を通じて入手しています。国内の承認医療機器の有無:同じシリーズの機器として、Jeisys Medical Japan株式会社の「ポテンツァBASIC」(承認番号 30500BZI00042000、一般的名称:治療用電気手術器)が、2023年12月に「審美性の改善のための皮膚のフラクショナルリサーフェシングを目的とした軟組織の凝固及び蒸散」を使用目的として承認されています。当院で使用しているポテンツァプライムは、この承認品ではありません。諸外国における安全性等:旧機種のポテンツァは、米国FDAの510(k)クリアランス(K192545ほか:皮膚科・一般外科の処置における電気凝固と止血)と、韓国MFDS(食品医薬品安全処)の承認を受けています。ポテンツァプライムとしての各国の承認状況は、現在確認中です。紅斑、腫脹、感染、色素沈着、熱傷などが報告されています。【PICOSURE pro】国内承認医療機器です(承認番号 30500BZX00079000/一般的名称:アレキサンドライトレーザ/使用目的又は効果:体表面の表在性及び深在性良性色素性病変の治療、又は外傷性並びに入墨による刺青の蒸散及び除去)。ニキビ・ニキビ痕・毛穴・小じわ・肌質・肝斑を目的とする照射は、承認された使用目的の範囲外の適応外使用です。
Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

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