講演|ASLMS2022 サンディエゴ ― ピコシュア×シスペラ、テンプシュアなど4演題を発表

学会・セミナー

ヒルズグレイスクリニック院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

院長 奥 謙太郎|2022年4月28日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)

この記事の要点

2022年、アメリカ・サンディエゴのSan Diego Convention Centerで開かれたASLMS(アメリカレーザー医学会)の学術集会で、私の4つの演題が採択されました。テーマは、ピコシュアとシスペラの併用、ピコシュアプロとポテンツァによる肌質改善、ルクセンブルクのDr. Dierikxとの共著によるテンプシュアの治療法、スティムシュアとスカルプシュアによるボディメイクです。4演題のうち3つは、複数の治療を併用するコンビネーション治療の発表でした。いずれも効果の出方には個人差があります。

ASLMS2022(アメリカレーザー医学会学術集会)の様子

はじめに

2022年のASLMSは、私にとって4つの演題が採択された学会でした。そのうち3つは、2つの治療を組み合わせるコンビネーション治療の発表です。サンディエゴの会場でお話しした内容を、演題ごとに振り返ります。

1. ASLMS2022 ― 1月のLSM24から始まった1年

ASLMS(アメリカレーザー医学会)の学術集会は、2022年、アメリカ・カリフォルニア州のSan Diego Convention Centerで開かれました。毎年、新しい治療機器やアプローチの方法など、さまざまな視点から学びを得ることができる、レーザー機器の分野の大きな学会です。

私はこれまでもASLMSで発表を重ねてきましたが、2022年は、1月に行われたLSM24のパネリストに選ばれたことから始まりました。LSM24は、ASLMSの学術雑誌の編集者が各国から代表者を選び、レーザーについて自身の知見や研究を討論し合うオンラインイベントです。

そして学術集会では、次の4つの演題が採択されました。

  • ピコシュア(PicoSure)とシスペラのコンビネーション治療
  • ピコシュアプロ(PICOSURE pro)とポテンツァ(POTENZA)による肌質改善治療
  • テンプシュア(TempSure)による治療法(Dr. Dierikxとの共著)
  • スティムシュアとスカルプシュアによるボディメイキング

2. 演題1・2 ― ピコシュア×シスペラ、ピコシュアプロ×ポテンツァ

一つ目は、ピコシュアとシスペラのコンビネーション治療です。シスペラは、システアミンを配合した美白クリームです。レーザー治療の弱点のひとつに、炎症のあとに起こる色素沈着(炎症後色素沈着)があります。シスペラがこれを抑えることで、治療効率の向上が期待できることを示しました。

二つ目は、ピコシュアプロとポテンツァによる肌質改善治療です。ポテンツァは、針を使って高周波(RF)を届けるニードルRFの機器です。この内容は、少し前にモナコで開かれたAMWCでも講演していました。

レーザーとニードルRF、それぞれの弱点を補い合いつつ、お互いの強みを引き出せるのが、この治療の特長です。この治療は、その後オーストラリアのCOSDOCやタイ・バンコクのIMCAS Asiaでも、サイノグロー(CynoGlow)という名前でお話ししています。

3. 演題3 ― Dr. Dierikxと共著したテンプシュアの治療法

三つ目は、Cynosure社のAdvisory board memberとしてともに仕事をしていた、ルクセンブルクのDr. Dierikxとの共著演題です。

テーマは、高性能RF(高周波)機器テンプシュアによるオリジナルの治療法です。フェイスラインなどのたるみの改善に効果が期待できることを示しました。効果の出方には個人差があります。

テンプシュアは、当院がアジア太平洋地域での導入施設に選ばれた機器のひとつで、治療効果の引き出し方や使い方のコツについて、講演や技術指導も行ってきました。

4. 演題4 ― スティムシュアとスカルプシュアで考えるボディメイク

四つ目は、当時、当院がアジアで1号機を導入していた筋増強機器スティムシュア(StimSure)と、レーザーによる脂肪溶解を行うスカルプシュア(SculpSure)を組み合わせた、ボディコントゥアリング(ボディメイキング)についてです。

異なるエネルギーをブレンドすることで得られる効果と、3次元での評価方法を示しました。脂肪を減らしながら、体幹やインナーマッスルを鍛えるという考え方です。効果の出方には個人差があります。

このボディメイクの方法は、その後のJSAS2022(日本美容外科学会)でも、脂肪だけでなく筋肉と皮膚も同時にケアする「デュアルシュア」として、部分痩身の講演でお話ししました。

5. 横浜あざみ野の診療へ ― 肌質に合わせて組み合わせる

肌のコンビネーション治療については、JSAS2022でも、ピコシュアプロとポテンツァによる美肌治療、ピコシュアプロとシスペラによる美白治療という、当院の2つの治療としてお話ししています。どちらも、その方の肌質に合わせてプログラムを構築する治療です。横浜あざみ野の当院でも、レーザーとほかの治療の組み合わせは、一人ひとりの肌質に合わせたプログラムとして組み立てていました。

また、同じ年の日本美容皮膚科学会では、シスペラの新しいラインナップについてもお話ししました。効果や副反応の出方には個人差があり、適応は診察で判断します。

よくある質問

ASLMS(アメリカレーザー医学会)とはどんな学会ですか?

ASLMSは、アメリカレーザー医学会です。毎年、新しい治療機器やアプローチの方法など、さまざまな視点から学びを得られるレーザー機器の分野の学会で、2022年の学術集会はサンディエゴで開かれました。ASLMSの学術雑誌の編集者が各国から代表者を選ぶLSM24というオンラインイベントもあり、私は2022年1月にそのパネリストを務めました。

レーザー治療とシスペラを組み合わせるのはなぜですか?

レーザー治療の弱点のひとつに、炎症のあとに起こる色素沈着があります。ASLMS2022では、シスペラがこれを抑えることで、ピコシュアによる治療効率の向上が期待できることを報告しました。同じ年の日本美容皮膚科学会でも、シスペラについてお話ししました。効果や副反応の出方には個人差があり、適応は診察で判断します。

ピコシュアプロとポテンツァを組み合わせると、何が期待できますか?

レーザーとニードルRFを併用し、それぞれの得意な部分を生かすことで、肌質の改善が期待できる治療です。のちにサイノグロー(CynoGlow)として講演したこの治療は、お肌に不要な色素が蓄積した部分にピコシュアプロを、ニキビや小じわといった真皮コラーゲンに関わる部分にポテンツァを照射する考え方です。効果の出方には個人差があり、適した治療は肌の状態によって異なります。

おわりに

ASLMS2022では、4つの演題を通して、機器の併用を中心にお話ししました。2019年や2021年のASLMSでの講演記録、同じ年のJSAS2022での講演もあわせてご覧ください。

シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →

本記事は学会・講演活動の記録であり、特定の治療の効果を保証するものではありません。記載の治療は自由診療(保険適用外)を含み、効果・経過・副作用には個人差があります。一部の医療機器・医薬品は国内未承認です。治療については診察時に適応・リスク・費用をご説明します。
奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

注目の特集連載
GRACE JOURNAL

グレイスジャーナルは、ヒルズグレイスクリニックの医師によるブログです。美容医療の最新トレンドや治療法、おすすめの美容アイテムなどの情報をお届けします。

ヒルズグレイスクリニック公式サイト
ランキング
  1. 1

    水素サプリとは?SUBSTANCE H2 100を医師が選んだ4つの理由と飲み方

  2. 2

    500症例から見えたソフウェーブ施術の核心

  3. 3

    【保存版】肝斑対策にオススメの日焼け止め5選

  4. 4

    10年でわかった、黄ぐすみとのつきあい方|ソルプロ プリュス ホワイト発売10周年 表彰

  5. 5

    ピコシュアをこの1年間で700人に使用してわかったこと

  6. 6

    おでこのしわ改善|タイプ別シワ治療法

  7. 7

    ラシャスリップス人気ランキング2026

  8. 8

    「なんとなく不調」の正体|40代後半から女性の身体で起きること

  9. 9

    迷ったらこれ!医師厳選・1日1粒の糖化ケアサプリ、選び方を解説

  10. 10

    尿もれと骨盤底筋|加齢・出産で変わる理由と正しい鍛え方を医師が解説【完全ガイド】

患者様の声

実際に施術を受けた患者様の声を施術別に掲載した公式口コミサイト「BEAUTY NAVI」です。

TOP
CLOSE
診療予約はこちら