院長 奥 謙太郎|2019年12月1日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)
この記事の要点
2019年、私は年に一度開かれるLSMROC(台湾レーザー医学会)から依頼を受け、3つのセッションで講演しました。テーマは、ピコシュアによる肌全体の若返りとヒルズフェイシャル®、ピコシュアによるニキビ治療とニキビ痕の予防、スカルプシュアによる美しいボディラインの作り方です。ピコシュアの講演では、各機器の得意な部分を見極めて組み合わせる考え方をお話ししました。

はじめに
2019年、私はピコシュアとスカルプシュアという2つの機器について、台湾レーザー医学会で3つの講演を行いました。肌全体の若返り、ニキビとニキビ痕の予防、そしてボディラインづくりです。各国のドクターと治療の工夫を評価し合った時間を振り返ります。
1. LSMROC(台湾レーザー医学会)からの依頼と会場の顔ぶれ
LSMROCは年に一回開催される台湾のレーザー医学会です。今回は、ピコレーザー「ピコシュア」と、脂肪溶解レーザー「スカルプシュア」について講演の依頼をいただき、3つのセッションでお話ししました。
会頭は、台湾を代表するドクターの一人で、Cynosure社のAdvisory Board Member(機器メーカーに助言を行う医師メンバー)としてご一緒しているDr. Peter Pengでした。日本からは私のほかに、東海大学の河野先生がご講演されました。
3つの講演のテーマは次のとおりです。
- 講演1:ピコシュアによるお肌全体の若返り治療
- 講演2:ピコシュアによるニキビ治療とニキビ痕予防
- 講演3:スカルプシュアによる美しいボディラインの作り方

2. 講演1:ピコシュアとヒルズフェイシャル®による肌全体の若返り
1つ目は、当時のあざみ野ヒルズスキンクリニック(現 ヒルズグレイスクリニック)のオリジナル治療法「ヒルズフェイシャル®」の治療成績についてです。ヒルズフェイシャル®は、レーザー治療の後に、肌に必要な栄養成分をエレクトロポレーション法(電気の力で成分を肌の奥へ届ける方法)で導入する治療法です。
ピコシュアは、肌質に合わせた特殊な照射が必要な機器です。正しい肌質診断に基づいて照射することで、色素沈着(治療後に肌が茶色っぽくなること)などの副作用をできるだけ抑えつつ、効果を引き出すことが期待できます。当時はピコシュアの照射後に、成長因子やサイトカイン(細胞の働きにかかわる成分)を肌の深くまで作用させる工夫も加えていました。
この方法の治療成績と副作用の発生率をお話しし、台湾のドクターたちからは多くの質問をいただきました。
どの方法にも共通するのは、各機器の良さを引き出すために、他の機器や施術と上手に組み合わせることが大切だという点です。講演では、各機器が得意とする部分を生かすことで、効果を高め、ダウンタイム(治療後に赤みなどが落ち着くまでの期間)を少なくすることを重視しました。

3. 講演2:ピコシュアによるニキビ治療とニキビ痕の予防
ニキビは、痕になってしまうと治療に長い時間がかかるうえ、望むような結果が得られにくいという特徴があります。そこで私が考えたのが、「痕にならないよう、ニキビの治療とニキビ痕の予防を同時に行う」という方法です。
この方法は、以前アメリカのレーザー医学会ASLMSで発表した内容に、さらに改良を加えたものです。韓国のドクターからは「もう少し教えてほしい」とお声がけをいただきました。効果の出方はニキビの状態や肌質によって異なり、個人差があります。
4. 講演3:スカルプシュアと「リフティングポイント」
スカルプシュアは、レーザーの力で皮下脂肪(皮膚の下にある脂肪)を減らすことを目的とした脂肪溶解レーザーです。では、気になる脂肪を溶かせば、それだけできれいな身体をつくれるのか。私の答えは「No」でした。
大切なのは、流れるようなラインとシルエットです。それをつくる要になるのが、身体の各部にある「リフティングポイント」で、講演ではこのポイントに着目した当時の当院での施術方法をお話ししました。講演後には、多くの質問をいただきました。
5. 評価し合う場と、横浜あざみ野の診療
ピコシュアもスカルプシュアも認知度が高い機器のため、こうした学会では、各国のドクターが創意工夫した治療方法について、その結果を評価し合います。お互いに厳しく評価すると、そこから改良点が見つかり、治療成績が向上する。非常に良い流れだと思います。
肌質の診断に基づいて照射を考えることは、横浜あざみ野での診療でも大切にしています。治療の適否や組み合わせは、診察で判断します。
よくある質問
LSMROC(台湾レーザー医学会)とはどんな学会ですか?
LSMROCは、年に一回開催される台湾のレーザー医学会です。2019年の会では、Cynosure社のAdvisory Board Memberとしてご一緒しているDr. Peter Pengが会頭を務められました。日本からは私と東海大学の河野先生が講演し、私はピコシュアとスカルプシュアについて3つのセッションでお話ししました。
ヒルズフェイシャル®とはどんな治療ですか?
ヒルズフェイシャル®は当院オリジナルの治療法で、レーザー治療の後に、肌に必要な栄養成分をエレクトロポレーション法(電気の力で成分を肌に届ける方法)で導入するものです。2019年の講演では、肌質診断に基づいてピコシュアを照射し、その後に成分を作用させる方法と、その治療成績をお話ししました。効果や経過には個人差があります。現在の治療内容は公式サイトや診察でご確認ください。
ニキビ痕ができる前に治療を考えたほうがよいのはなぜですか?
ニキビは痕になってしまうと、治療に長い時間がかかり、望むような結果が得られにくいという特徴があります。そのため私は、ニキビの治療とニキビ痕の予防を同時に行うという考え方で治療法を組み立ててきました。ニキビの状態や肌質によって適した治療は異なり、効果には個人差があります。気になる症状がある場合は、早めに医師にご相談ください。
おわりに
台湾での3講演は、ピコシュアとスカルプシュアの使い方を各国のドクターと評価し合い、次の治療への手がかりを得る機会になりました。ASLMSでの発表や、アジア各地での講演記録もあわせてご覧ください。
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