院長 奥 謙太郎|2019年3月28日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)
この記事の要点
2019年3月、私はベトナムの首都ハノイのメリア・ハノイで、アジア各国の医師に向けたレーザー講演とライブデモンストレーションを行いました。テーマはピコレーザー「ピコシュア」と痩身レーザー「スカルプシュア」です。ピコシュアについては、シミを狙う照射方法のままではほかの症状の改善は望めないため、目的に合わせた「一歩踏み込んだ使い方」をお伝えしました。この考え方は、横浜あざみ野での日々の診療の土台にもなっています。

はじめに
300人を収容する会場が、満員になりました。2019年3月、ベトナムの首都ハノイのメリア・ハノイで行った講演です。海外で講演するたびに、アジア各国の先生方の学ぼうとする意欲の高さから、私自身が良い刺激をいただきます。
1. メリア・ハノイの会場と、ともに登壇した先生方
当時のあざみ野ヒルズスキンクリニック(現 ヒルズグレイスクリニック)の院長として、私はハノイの会場に立ちました。ベトナムは最新の美容医療への関心が高い国で、現地のテレビ局から取材も受けました。
この日、ともに登壇したのは台湾のDr.LinとタイのDr.Vasanopのお二人です。Dr.Linとご一緒するのはこれで3度目で、シンガポールでの講演以来の再会でした。
講演の機会にお二人と、これからのレーザーの展開や治療法の改善策について対談しました。

2. ピコシュアの「一歩踏み込んだ使い方」
ピコシュアは、ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い時間でレーザーを照射するピコレーザーです。755nmの波長を用い、シミの原因であるメラニン(肌の色をつくる色素)を、周りの血管や細胞を傷つけにくく、効率よく壊すことを狙っています。
使い方を工夫すると、シミだけでなく、しわ、今あるニキビ、ニキビ痕(ニキビのあとに残る凹凸や色)といった肌トラブルの改善も期待できます。ただし、シミを狙う照射方法のままでは、ほかの症状の改善は望めません。
たとえばフラクショナル照射(エネルギーを細かな点状に分けて届ける照射)を加えると、肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促し、真皮(皮膚の奥の層)のコラーゲンやエラスチンを増やすことが期待できます。変化の出方には個人差があります。
そこでハノイでは、「ピコシュアの一歩踏み込んだ使い方」をテーマにお話ししました。効果的な照射方法があり、同じ機器を使っても、照射方法が変われば結果も大きく変わります。どの症状に、どの照射法を選ぶのか。講演はその考え方を軸に組み立てました。

3. ライブデモンストレーションで伝えた「正確性」
講演のあとは、実際にピコシュアを照射しながら解説するライブデモンストレーションを行いました。この場で私が伝えたかったのは、レーザーを照射するうえで外せないポイントである「正確性」です。
照射法の理論を知っていても、狙ったところに、狙った条件で正確に照射できなければ、期待する結果にはつながりません。ライブデモンストレーションでは、その正確性を実際の照射を通して解説しました。
4. スカルプシュア ― 脂肪の減少と皮膚の引き締めを同時に狙う
もう一つのテーマは、痩身レーザー「スカルプシュア」です。レーザーの力で皮下脂肪(皮膚の下にある脂肪)を減らしながら、皮膚やその下にあるコラーゲン(肌のハリを支える線維)を引き締め、ボディラインを整えることを狙う、1台で2つの役割を担う機器です。
講演では、脂肪を減らすことと皮膚を引き締めることを同時に考えるという視点から、当院でのスカルプシュアの治療についてお話ししました。美しいボディラインをつくるには、脂肪の付き方や皮膚の質感を確かめながら、どこに、どのように、どのくらい照射するかを見極める必要があります。
スカルプシュアの施術は1回25分ほどで、温かさと冷たさを交互に繰り返しながら照射します。効果の出方や感じ方には個人差があります。
5. ハノイから横浜あざみ野の診療へ
ハノイでお伝えした「同じ機器でも、照射方法が変われば結果が変わる」という考え方は、横浜あざみ野での日々の診療でも大切にしていることです。シミなのか、ニキビなのか、しわなのか。まず目的をはっきりさせ、それに合った照射法を選ぶことを基本にしています。
ハノイの講演の直後に、アメリカ・デンバーでのASLMS(アメリカレーザー医学会)での発表を控えていました。
よくある質問
ピコシュアはシミ以外の悩みにも使えますか?
使い方を工夫することで、しわ、今あるニキビ、ニキビ痕などの改善も期待できます。ただし、シミを狙う照射法のままでは、ほかの症状の改善は望めません。目的ごとに照射法を変える必要があり、効果の出方には個人差があります。どの悩みに向くかは、診察で肌の状態を確認してからご提案します。
同じレーザー機器を使えば、治療の結果は同じになりますか?
私は、同じ機器でも照射方法が変われば結果は大きく変わると考えています。どの症状に、どのような照射法を選ぶか、そして狙った場所に正確に照射できるかが、結果を左右するからです。同じ照射法でも、肌の状態によって変化の出方には個人差があります。
スカルプシュアはどのような機器ですか?
レーザーの力で皮下脂肪を減らしながら、皮膚やその下のコラーゲンを引き締めることを狙う痩身用のレーザーです。施術は1回25分ほどで、温かさと冷たさを交互に繰り返しながら照射します。効果や経過には個人差があります。本記事は2019年の講演の記録ですので、現在の治療メニューについては公式サイトの料金表をご確認いただくか、診察時にお尋ねください。
おわりに
2019年3月のハノイでの講演では、ピコシュアの照射法とスカルプシュアについて、アジアの先生方にお話ししました。ハノイで出会った先生方とのその後の交流は、同じシリーズの記事で振り返っています。
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