講演|Cynosure APAC Summit 2024 ― ピコシュアプロとポテンツァの治療法

ピコシュア・ピコシュアプロ

ヒルズグレイスクリニック院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

院長 奥 謙太郎|2024年10月28日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)

この記事の要点

2024年10月26日・27日の2日間、タイ・バンコクで「Cynosure APAC Summit 2024」が開かれ、私はCynosure社のグローバルKOL(Key Opinion Leader:各分野で影響力のある医師)として参加しました。アジア太平洋地域から400名以上の医師が集まった会場で、私が講演したのは2つのテーマです。一つはピコ秒レーザー「ピコシュアプロ」の効果的な照射方法、もう一つはニードルRF「ポテンツァ」のシングルニードルとマルチニードルを組み合わせた、難治性のニキビ治療です。サミットで得た知識は、横浜あざみ野での治療に活かしています。

Cynosure APAC Summit 2024の様子

はじめに

Cynosure APAC Summitは、アジア太平洋地域の美容医療の専門家が一堂に会する、年に1度の大きなイベントです。2024年はタイ・バンコクで開かれ、私はピコシュアプロとポテンツァ、2つの機器の治療法について講演しました。この記事では、2つの講演の内容と、サミットで得たものをまとめます。

1. Cynosure APAC Summit 2024 ― バンコクに400名以上の医師が集まった2日間

Cynosure APAC Summit 2024は、2024年10月26日・27日の2日間、タイ・バンコクで開催されました。私はCynosure社のグローバルKOL(Key Opinion Leader:各分野で影響力のある医師)として参加し、最新の治療法やデバイスについて発信する立場をいただきました。

このイベントには400名以上の医師が参加し、最新技術や製品の展示もあって、会場は活気にあふれていました。

今回とくに注目を集めていたのが、ピコ秒レーザーの「ピコシュアプロ」と、ニードルRFの「ポテンツァ」です。私はこの2つについて、それぞれの治療法を講演しました。

2. 講演1|ピコシュアプロ ― 効果的な照射方法について

ピコシュアプロは、755nmという波長と、ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短いパルス幅を組み合わせたレーザーです。755nmはメラニン(肌の色をつくる色素)に吸収されやすい波長で、シミや色素沈着をピンポイントで狙うことができます。パルスが短いため、健康な皮膚組織へのダメージを抑える考え方の機器です。

もう一つの使い方がフラクショナルモード(細かな点状に照射する方法)です。微細なエネルギーで肌に刺激を与え、コラーゲンやエラスチン(いずれも肌のハリや弾力を支える成分)の生成を促します。肌全体の質感や透明感の向上が期待できますが、変化の程度には個人差があります。

サミット会場でもピコシュアプロは多くの参加者から注目されていました。私の講演では、当院が世界で初めて臨床使用を開始した実績を踏まえ、効果的な照射方法についてお話ししました。

講演でお話ししたピコシュアプロの特長は、次のとおりです。

  • 755nm波長×ピコ秒:メラニンに吸収されやすい波長を、ごく短いパルスで照射する
  • フラクショナルモード:微細なエネルギーで、コラーゲン・エラスチンの生成を促す
  • 主な対象:シミ、そばかす、アザ、炎症後色素沈着(PIH:炎症のあとに残る色素沈着)
  • 照射回数や変化の程度には個人差があります

3. 講演2|ポテンツァ ― シングルニードルとマルチニードルを組み合わせた難治性ニキビ治療

ポテンツァは、細い針を通してRF(高周波)のエネルギーを肌の内部に届けるニードルRFの機器です。ニキビ治療から肌の再生まで、幅広く使われています。

シングルニードルモードは、個別のニキビや色素沈着にピンポイントでアプローチするモードです。RFエネルギーを集中して照射し、皮脂腺(肌のあぶらをつくる組織)をターゲットにします。一方のマルチニードルモードは、真皮(表皮の下にある層)全体を刺激し、コラーゲンやエラスチンの生成を促すモードで、ニキビ痕や毛穴の目立ちに用いられます。

今回の講演テーマは、このシングルニードルとマルチニードルを組み合わせた「難治性のニキビ治療方法」でした。この治療アプローチは、ニキビ治療だけでなく、その後の予防や肌の再生にもつながる点で、多くの関心を集めました。

講演でお話ししたポテンツァの2つのモードは、次のとおりです。

  • シングルニードルモード:個別のニキビや色素沈着に、ピンポイントでアプローチ
  • マルチニードルモード:真皮全体を刺激し、コラーゲン・エラスチンの生成を促す
  • 講演内容:2つのモードを組み合わせた、難治性のニキビ治療方法
  • 効果や経過には個人差があります

4. サミットで共有したことと、横浜あざみ野の診療

このサミットでは、最新の治療法や技術について深い議論が交わされ、専門家同士のネットワークも広がる有意義な時間となりました。治りにくい肌の悩みに対する新たな治療の可能性を共有できたことも、大きな意味があったと感じています。

Cynosure APAC Summit 2024は、美容医療の最新技術を共有し合いながら、この分野の進化を実感する機会でした。当院では、ピコシュアプロやポテンツァについてサミットで得た知識を、患者様の治療に活かしています。

どちらの治療にも副反応の可能性があり、効果や経過には個人差があります。治療の適否や内容は、診察でお肌の状態を確認したうえでご提案します。

よくある質問

ピコシュアプロとポテンツァは、どう違うのですか?

ピコシュアプロは、755nmの波長とピコ秒のパルス幅を組み合わせたレーザーで、メラニン(肌の色をつくる色素)に働きかけ、シミ・そばかす・アザ・炎症後色素沈着などの治療に用いられます。ポテンツァは、細い針を通してRF(高周波)のエネルギーを肌の内部に届ける機器で、ニキビやニキビ痕、毛穴の目立ちなどの治療に用いられます。お悩みによってどちらが合うかは異なり、効果には個人差があります。

難治性のニキビに、ポテンツァはどのように使うのですか?

ポテンツァには、個別のニキビにピンポイントでアプローチするシングルニードルモードと、真皮全体を刺激するマルチニードルモードがあります。Cynosure APAC Summit 2024で私が講演したのは、この2つを組み合わせた難治性のニキビ治療方法でした。副反応の可能性として、施術部の赤み、腫れ、リンパ液の浸出、感染などがあります。効果や経過には個人差があります。

ピコシュアプロの治療で、起こりうる副反応はありますか?

副反応の可能性として、皮膚の不快感、紅斑(赤み)、腫れ、点状出血、水疱、かさぶた、内出血、色素沈着、膿疱、熱傷、白斑、色調の悪化、瘢痕、感染、アレルギー反応などがあります。経過には個人差があります。治療前に診察でリスクをご説明し、気になる変化があれば受診時にお知らせください。

おわりに

Cynosure APAC Summit 2024は、アジア太平洋地域の医師と最新の治療法について議論できる、貴重な2日間でした。ピコシュアプロとポテンツァについてサミットで得た知識を、これからも横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックでの診療に活かしてまいります。

シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →

本記事は学会・講演活動の記録であり、特定の治療の効果を保証するものではありません。記載の治療は自由診療(保険適用外)を含み、効果・経過・副作用には個人差があります。一部の医療機器・医薬品は国内未承認です。治療については診察時に適応・リスク・費用をご説明します。
奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

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