昨年に引き続き、KOREA DERMAからのご依頼を受け、「KOREA DERMA 2024」にて演者および座長を務めました。
今年も多くの学びを得る素晴らしい機会となり、国際的な美容医療の未来を感じる場となりました。
恒例の似顔絵Wall of Fame
学会会場での「Wall of Fame」は、例年スピーカーの写真が飾られる場所です。KOREA DERMA 2023では、写真ではなく「似顔絵」が飾られていたことを思い出し、「もしや今回も？」と最新の写真を更新して登録しました。今年のWall of Fameでは、無事、自分だと一目で分かる写真が使用されており、少しホッとしました。このような遊び心のある仕掛けもKOREA DERMAならではの魅力です。
今回の3大ミッション
KOREA DERMAをはじめとした国際学会の特徴は、カバーする領域の広さにあります。痩身、シミ・アザ・たるみ・シワ・肌質改善治療、そして注入治療まで、幅広い知識と経験が求められます。その中で今回の私のミッションは以下の3つです。
- 部分痩身セッションの座長
世界中の専門医と共に、脂肪吸引、スレッドリフト、ボツリヌス製剤の併用など、多様な部分痩身治療について議論しました。 - Facial Contouringの講演
不要な部分を減らし、落ちた部分を引き上げ、必要な部分に足すという3つのポイントを融合させた治療法を発表しました。 - Thermal Thread Technique®の発表
Sofwave™を使用した当院独自の技術である「Thermal Thread Technique®」について、その効果と具体的な施術方法を共有しました。
Mission１：部分痩身セッションの座長
１つ目は部分痩身のセッションにおける座長。国際学会において座長として指名されるのはとても光栄なことです。
共に座長を務めたDr. Kangと。
このセッションでは多くの方法を議論しましたが、外科的に脂肪吸引を行うことで形を整えながらスレッドを留置してくる方法や、ボツリヌス製剤を併用することで筋の形を整える方法なども発表され、その方の体形に合わせて適切な組み合わせを考えるのが一番重要であることが共通認識でした。
部分痩身セッションでご一緒した先生方と。国が異なれば考え方も異なりますが、どの発表も学び深いものでした。
Mission2：Facial Contouringの講演
さて、２つ目のミッションですが、演者として「Facial contoring」をお話しさせていただきました。
聞きなれない言葉と思いますが、不要な部分を減らし、落ちた部分を引き上げ、必要な部分には足す、という３つのポイントをすべて押さえたときに可能となる治療方法です。
当院は高性能ピコレーザー：PICOSUREpro、最新RF機器：DENZA、新世代超音波機器：Sofwave™がありますが、これをすべて組み合わせることで、お顔を３次元的に作り直すことが出来るようになります。
いらない部分を減らしたり、顎のラインが均一でなければ均一にしたりするのはよく行われるのですが、実はそれだけでは美しい状態を取り戻すことが出来ません。なぜなら人間の目は暗い部分を「へこみ」と捉えるためです。このため、色素が濃い部分は周りと同じトーンに整えることまでしなければ、本当の意味での改善は得られないのです。この症例では、３つを同時に行うことで、本来の美しい形と色を同時に取り戻しています。
同セッションの先生方と。USにおけるSofwave™の第一人者であるDr. Micheal Goldもいらっしゃいました。演者によって同じような効果を得るにも、機器を使うのか、注入製材を使うのか全く異なるのが面白いところです。
Mission3：Thermal Thread Technique®の発表
そして３つ目。演者としてSkin tighteningセッションでSofwave™を用いたThermal Thread Technique®︎についてお話ししました。
今回多くの海外医師を驚愕させたは、当院開発の「Thermal Thread Technique®：サーマルスレッド法」。講演後には「あの効果は初めて見た」と、効果の高さへの驚きの感想を多くいただきました。
Sofwave™は日本でも導入する施設が増えてきましたが、Thermal Thread Technique®を使うにはいくつか外せないポイントがあります。
主には「角度」「圧力」「距離」「エネルギー」なのですが、施術時にこの１つでも狂いがあると、熱が「スレッド」にならず、思ったような効果を出すことが出来ません。
前に他クリニックでSofwave™を受けたことがあるけれど、今回の効果は前のと大分違うのはなぜ？と患者様からよく聞かれるのですが、Thermal Thread Technique®で受けるか、他の方法で受けるかが効果の違いを生んでいます。熱をスレッドのように牽いていくことができるかどうか、それがSofwave™を使いこなすポイントなのです。
この方はThermal Thread Technique®で治療をしたのですが、引きあがるだけでなく、毛穴や赤みが減少し、肌質そのものが改善しています。連続して熱を牽いてくるサーマルスレッド法で「コラーゲンを焦がさないように」すれば、こういった結果も得られるようになります。
KOREA DERMAからの学びと感謝
学会セッション終了後、speaker’s nightに参加させていただきました。光栄なことに、Dr. Michael Gold、そして私の日本での師である東海大学形成外科学の河野教授とご一緒させていただきました。
美容医療や医療機器のこれからについて、本音で意見を交わせる場を持てたことは、私にとってこの上ない喜びでした。お二人は、美容医療界におけるまさに“レジェンド”ともいえる存在であり、そのお考えや経験に触れることで、私自身の視野もさらに広がったと感じます。
また、こうした場で海外のDr.とも自由に議論できるのが、国際学会ならではの魅力です。新たな知見を得るだけでなく、日常診療では得られない多角的な視点から考えることができます。
このような貴重な機会を頂けたこと、改めてKOREADERMA science committeeの皆様に心より感謝申し上げます。これからも、学んだことを日々の診療に活かしてまいります。
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