院長 奥 謙太郎|2018年8月7日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)
この記事の要点
2018年、東京国際フォーラムで開かれた日本美容皮膚科学会総会で、「PicoSureによるSkin Revitalization(肌の若返り)」と題して講演しました。ピコ秒レーザーを導入する施設が増える一方で「よい結果が出にくい」「理論が難しい」という声があったことから、従来のQスイッチレーザーとの違いを理論と臨床の両面からお話ししました。講演の柱は、シミを治療しながら、肌質に合わせた照射で肌そのものの状態にも働きかけるという考え方です。シミと肌質を切り離さずに考える姿勢は、横浜あざみ野での肌治療の組み立てにつながっています。

はじめに
2018年の夏、ピコシュアを導入した施設から「結果が出にくい」という声が聞こえ始めていました。前年に続いて講演の機会をいただいた私は、理論の基本からお話しすることにしました。本記事は、東京国際フォーラムでの講演の振り返りです。
1. 2年続けての講演依頼と、会場に入りきらなかった聴講者
日本美容皮膚科学会は毎年夏に開かれ、美容医療を学術と臨床の両面から学ぶことのできる学会です。2018年の総会は、東京国際フォーラムで開催されました。
前年に続いて講演のご依頼をいただき、「PicoSureによるSkin Revitalization」と題してお話ししました。Skin Revitalizationは、肌の若返りを意味する言葉です。会場は立ち見が出るほどで、50名ほどの方が会場に入れなかったと後から伺いました。
前年に大きな反響をいただいた講演の内容をさらに練り直し、ピコ秒レーザー(ピコ秒=1兆分の1秒という非常に短い時間で光を当てるレーザー)「ピコシュア」の理論と、実際の治療法についてお話ししました。

2. 「理論が難しい」という声に応えて ― Qスイッチレーザーとの違い
前年から2018年にかけて、ピコシュアを導入する施設は増えていました。その一方で、「なかなか良い結果が出ない」「理論が難しい」という声が上がっていると聞いていました。
そこでこの講演では、それまで日本全国で使われてきたQスイッチレーザー(ルビー、アレキサンドライト、ヤグ)と、ピコ秒レーザーの差は何なのかを、理論と臨床の両面から整理しました。
ピコ秒レーザーとQスイッチレーザーは、使い方もその理論も大きく異なります。講演では、ピコシュアの理論を確認したうえで、実際の治療法へと話を進めました。
3. シミ・毛穴・ニキビ・小じわ ― 講演で示した応用編
ピコシュアは、Qスイッチレーザーとは使い方の考え方が異なる機器です。講演では、ダウンタイム(治療後の回復期間)の少ないシミ治療と、肌質の再生を同時に考えられる点を、ピコシュアの特徴としてお話ししました。そのためには、肌質に合わせて照射方法を工夫することが欠かせません。
ピコシュアのフラクショナル照射(光を細かい点状に分けて当てる方法)を用いて、真皮(肌の奥の層)でコラーゲンが新たにつくられることを目指す考え方を、肌質に働きかける治療の土台としてお話ししました。
当時の当院では、この考え方をもとに、ピコシュアとメソアクティスによる成分の導入を組み合わせた肌再生プログラム「ヒルズフェイシャル®」を、新しい治療として行っていました。
講演では、シミの治療に加えて、肌質改善、小じわの改善、ニキビ・ニキビ痕の改善といった応用編の症例を提示しました。結果には個人差があり、ここでは経過の詳細には触れません。取り上げたのは、次のようなお悩みです。
- 治療が難しいといわれる鼻の毛穴
- ニキビ痕・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス。肌の深い層にできるシミの一種)・毛穴
- 盛り上がったシミ(脂漏性角化症)・肌質
- ニキビ・色素沈着・そばかす・コメド(毛穴に皮脂が詰まった状態)
- 目の下の小じわ・凹凸
4. 開発元の社長も聴講 ― 講演後に交わしたレーザー開発の議論
この講演には、ピコシュアの開発元であるCynosure社の代表取締役社長、Mr. Bruce Byersも足を運んでくださいました。同じセッションでは、みやた形成外科・皮ふクリニックの宮田先生とご一緒しました。
講演の後には、東海大学の河野先生やCynosure社の方々と、今後のレーザー開発の方針や、ピコシュアの改良点について話し合いました。
当時のあざみ野ヒルズスキンクリニック(現 ヒルズグレイスクリニック)では、消えにくいシミ、繰り返すニキビ、開いた毛穴などのご相談をお受けしていました。これからもレーザー治療の知識と技術を磨き、多くの方の力になれるよう努めていく。それが、この講演を終えての私の思いでした。
よくある質問
ピコ秒レーザーとはどのようなレーザーですか?
ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い時間で光を当てるレーザーです。2018年当時は導入する施設が増える一方で、「理論が難しい」という声もありました。そこで講演では、それまで日本全国で使われてきたQスイッチレーザーとの差を、理論と臨床の両面からお話ししました。両者は使い方も理論も大きく異なります。効果やダウンタイムには個人差があります。
ピコシュアで肌質の改善も期待できますか?
講演では、フラクショナル照射を用いて真皮でコラーゲンが新たにつくられることを目指す考え方をご紹介し、毛穴や小じわ、ニキビ痕などの症例を提示しました。肌質に合わせて照射方法を工夫することが前提で、変化の出方には個人差があります。適応は診察で肌の状態を確認したうえで判断します。
ヒルズフェイシャル®とはどのような治療ですか?
2018年当時の当院では、ピコシュアのフラクショナル照射と、メソアクティスによる成分の導入を組み合わせた肌再生プログラムとして行っていました。真皮でコラーゲンが新たにつくられることを目指し、肌質そのものに働きかけることを目的とした治療です。効果には個人差があります。現在の治療内容は、公式サイトの特集ページをご覧ください。
おわりに
2018年の総会は、ピコシュアの理論を改めて言葉にし、開発元とも議論を交わすことができた講演になりました。消えにくいシミや繰り返すニキビ、開いた毛穴など、肌のお悩みについては、診察で状態を確認したうえで治療の組み立てをご提案します。翌2019年の総会での講演も、あわせてご覧ください。
シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →







