講演|テンプシュア トレーニング2019 ― 認定後はじめて海外の医師団に伝えた高周波治療の理論

テンプシュア

ヒルズグレイスクリニック院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

院長 奥 謙太郎|2019年10月2日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)

この記事の要点

2019年、当院がResearch and Training Centerとして認定を受けてから最初のトレーニングを行いました。お迎えしたのは、フィリピンで14院を展開するBelo groupのドクターの皆様です。高周波(RF)機器「テンプシュア(TempSure)」について、物理的な特徴を学ぶ理論のレクチャーから始め、施術の体験とデモンストレーションへと進みました。どんな高性能機器でも使い方によって治療結果は大きく変わるため、まず理論から説明しました。

テンプシュア トレーニング(Research and Training Center認定後初)の様子

はじめに

新しい機器を学ぶとき、「とりあえずうまくいく照射の方法が分かればいい」と考えることもできます。けれど2019年の秋、当院で行ったトレーニングでは、理論の説明から始めました。この記事では、Research and Training Centerとしての認定後、フィリピンから訪れた医師の皆様と何を共有したのかを振り返ります。

1. Research and Training Center認定後、最初のトレーニング

当時のあざみ野ヒルズスキンクリニック(現 ヒルズグレイスクリニック)は、Research and Training Centerとしての認定を受けました。この日のトレーニングは、その認定を受けて間もない時期に行ったものです。

お越しいただいたのは、フィリピンで14院を展開するBelo groupのドクターの皆様でした。はるばる異国の地から来てくださった先生方に、テンプシュアのレクチャーとトレーニングを行いました。

テンプシュアは、当時アジアで初めての1台として当院が導入した高周波(RF)機器です。導入後、スタッフと共に日本人に対する臨床試験を行い、機器や施術法の改良を重ねていました。

テンプシュア トレーニング(Research and Training Center認定後初)の様子

2. まずは理論から ― テンプシュアの物理的な特徴を理解する

テンプシュアは、ダウンタイム(治療後に日常生活へ影響が出る期間)を抑えながら、タイトニング(皮膚の引き締め)とリフトアップを目指す高周波(RF)機器です。

しかし、どんな高性能機器であっても、使い方によって治療結果は大きく変わります。機器の特性という「理論」をしっかり理解できていれば、効果的な施術方法も体得しやすくなります。

そこでレクチャーでは、「この機器にはどんな物理的特徴があり、それを施術に生かすにはどのようなアプローチが必要か」という説明を最初に行いました。

テンプシュアは、治療に必要な熱をコラーゲンやリフトアップにかかわる靭帯(皮膚を支える組織)に作用させるしくみ(therapeutic logic control)を持ち、皮膚の温度を常に監視しながら照射する設計です。

私が高周波機器に求めていたのは、次の3つを兼ね備えていることです。

  • 十分なパワーがあり、効果が期待できること
  • 施術の痛みが少ないこと
  • 安全性に配慮した設計で、やけどなどのリスクが低いこと
テンプシュア トレーニング(Research and Training Center認定後初)の様子

3. 海外のドクターが「理論」を大切にする理由

海外のドクターについて、いつも感心するのは、この理論の部分をしっかり学ぼうとする方が多いことです。「とりあえずうまくいく照射の方法が分かればいい」という安易な考えをせず、きちんと理論を理解してから先に進まれます。

そのため結果として、しっかりとした使い方をお伝えできると考えていました。

4. デモンストレーション ― 施術直後と、少したってからの変化

レクチャーの後は、ドクターに実際に施術を体験していただき、体感してもらいながら効果的な使用方法をお伝えしました。参加されたDr. Guadaにも、施術を体験していただきました。

テンプシュアは熱の入れ方を工夫することで、施術直後に感じる変化と、施術後しばらくたってからの変化の両方が期待できる、とトレーニングでお伝えしました。どちらの変化をどの程度感じるかには個人差があります。

5. 理論と実践を学べる場所として、横浜あざみ野から

この年にはマカオで開かれたCynosure Asia Pacific forumで、テンプシュアの日本での臨床経験を講演しました。責任の重い発表だったため、スタッフと共に準備を重ねていました。

この日のトレーニングについて、私は「私たちの挑戦は始まったばかり」と感じていました。はるばる異国の地からお越しになる先生方のご期待に添えるよう、尽力していきたいと考えていました。

機器の理論を理解してから施術を組み立てるという姿勢は、横浜あざみ野での診療でも、高周波をはじめとする機器治療を考えるときの基本にしています。

よくある質問

テンプシュアはどのような治療機器ですか?

テンプシュアは、高周波(RF)の熱を利用して、皮膚の引き締めとリフトアップを目指す治療機器です。必要な熱をコラーゲンや皮膚を支える靭帯に作用させ、皮膚の温度を監視しながら照射する設計になっています。ダウンタイムを抑えやすい治療として、2019年のトレーニングでご紹介しました。効果の出方には個人差があります。

高周波(RF)治療で、やけどの心配はありませんか?

高周波治療では、使い方を誤るとやけどを起こすおそれがあります。テンプシュアは皮膚の温度を常に監視する設計ですが、リスクがゼロになるわけではありません。そのため、機器の理論を理解したうえで、肌の状態に合わせて熱の入れ方を調整することが大切です。リスクや注意点は診察時にご説明します。

テンプシュアの変化は、いつ頃感じられますか?

2019年のトレーニングでは、熱の入れ方を工夫することで、施術直後に感じる変化と、しばらくたってからの変化の両方が期待できるとお伝えしました。ただし、いつ、どの程度変化を感じるかには個人差があります。肌の状態や目的によって施術の組み立ても変わるため、診察でご相談ください。

おわりに

Research and Training Centerとして迎えたこの日のトレーニングでは、理論のレクチャーと施術の実践を組み合わせてお伝えしました。これからも、学んだことを横浜あざみ野での診療に生かしていきます。

シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →

本記事は学会・講演活動の記録であり、特定の治療の効果を保証するものではありません。記載の治療は自由診療(保険適用外)を含み、効果・経過・副作用には個人差があります。一部の医療機器・医薬品は国内未承認です。治療については診察時に適応・リスク・費用をご説明します。
奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

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