講演|日本美容皮膚科学会 JSAD2022 ― ピコシュアとピコシュアプロの違いとシミ治療

ピコシュア・ピコシュアプロ

ヒルズグレイスクリニック院長 奥謙太郎

監修・執筆:奥 謙太郎

ヒルズグレイスクリニック 院長

皮膚科医/米国レーザー医学会(ASLMS)専門医。エネルギーデバイス治療を専門とし、考案したThermal Thread Technique®はLasers in Surgery and Medicine(2024)に掲載・同誌Top Cited Articleに選出。

院長 奥 謙太郎|2022年8月7日の講演記録(2026年10月20日に加筆・再構成)

この記事の要点

2022年の日本美容皮膚科学会(JSAD2022)で、ピコシュアプロ(PICOSURE pro)について講演しました。第1号機が当院に導入されてから約1年の時点で、ピコシュアとの違いを、レーザーが作用する深さとエネルギーという2つの観点から説明しました。あわせて、シミは種類によって照射の方法が変わるという考え方もお話ししました。座長は近畿大学名誉教授の川田先生で、同じ学会ではシスペラについても講演しました。

日本美容皮膚科学会JSAD2022(ピコシュアプロ編)の様子

はじめに

シミを治療する「ピコレーザー」が日本に上陸してから、およそ8年。多くの企業からピコレーザーが発表され、機種はかなり増えていました。2022年の日本美容皮膚科学会(JSAD2022)で、私はその中のひとつ、ピコシュアプロについてお話ししました。

1. ピコシュアプロの登場と、第1号機の導入から約1年

ピコシュアプロは、Cynosure社のピコレーザー「ピコシュア(PicoSure)」の最新のハイエンドタイプとして登場しました。前身のピコシュアに大幅な改良を加えたレーザーで、私はCynosure社のAdvisory board memberとして開発段階から携わってきました。

当時、美容医療の機器の多くは海外で開発されていました。それをそのまま日本人の敏感な肌に使うことはできず、いかに日本人向けに調整していけるかがポイントだと、私は考えていました。

2021年秋、完成した第1号機が世界に先駆けて当院に導入されました。約半年の臨床試験期間を経て、2022年3月には東京・虎ノ門ヒルズで開かれたJeisys users meetingで機器を披露しました。

JSAD2022での講演は、導入からおよそ1年の時点で行ったものです。その間、ピコシュアプロを使って、シミ治療、ニキビ痕治療、小じわ治療などに取り組んできました。

2. 「今までのピコシュアと何が変わったのか?」への答え

ピコシュアプロについて、私が質問を受けることが多かったのが、この点です。講演でも、まずここを取り上げました。

少し専門的な話になりますが、大きな違いは「レーザーが作用する深さ」と「レーザーのエネルギー」です。ピコシュアプロは、ピコシュアに比べて、より深い位置まで、より強いレーザーエネルギーを作用させることができます。

従来のピコシュアでは、出力を上げても深達度(レーザーが届く深さ)は変わりませんでした。レーザーが皮膚のどこまで届くかは、シミ治療の結果を左右する大切なポイントのひとつです。

この違いによって、ピコシュアより少ない回数での治療が期待できます。ただし、実際に必要な回数には個人差があります。

3. シミの種類によって変わる照射の考え方

シミ治療は、シミの種類や深さ・厚さによって、進め方が変わってきます。講演では、シミの種類によって照射の方法が変わる考え方を説明しました。

シミの中には、ADM(別名:ABNOM、Hori’s nevus)のように、皮膚の深い位置にある種類もあります。ピコシュアプロの「深部まで強く届く」特徴は、こうした深さの違いを踏まえて照射を考えるときの要素のひとつでした。

どの照射が適しているかはシミの状態によって異なり、効果や経過の現れ方は人によって違います。

4. 2022年、国内外で重ねたピコシュアプロの講演

同じ2022年には、大阪で開かれた第65回日本形成外科学会総会で、通常であれば2名の講演が行われる50分の時間をいただき、レーザーの基礎から応用までをお話ししました。従来のピコレーザーとの違い、効果的な使用法、使用上の注意点まで扱った講演です。

日本美容外科学会(JSAS2022)では、最新機器の使い方を扱うセッションで座長兼演者を務めました。ポテンツァのアップデートについては今泉先生にお話しいただき、私はピコシュアプロを担当しました。札幌での第45回美容外科学会総会(JSAPS2022)でも、ピコシュアプロについて講演しました。

海外では、アメリカのASLMS2022でピコシュアプロとポテンツァを組み合わせた肌質改善治療を発表しました。オーストラリアのCOSDOC2022やタイ・バンコクのIMCAS Asia 2022では、この2つを組み合わせた治療「サイノグロー(CynoGlow)」について講演しました。

5. 同じ2022年の講演と、横浜あざみ野での診療

このセッションでは、近畿大学名誉教授の川田先生に座長を務めていただきました。改めて感謝申し上げます。

同じJSAD2022では、美白クリーム「シスペラ」の新ラインナップについても講演しました。

2022年の横浜あざみ野の当院では、シミの種類に合わせた特殊照射をお顔全体に行う方法をとっていました。

よくある質問

ピコシュアとピコシュアプロの違いは何ですか?

大きな違いは、レーザーが作用する深さと、レーザーのエネルギーです。ピコシュアプロは、ピコシュアに比べて、より深い位置まで、より強いエネルギーを作用させることができます。JSAD2022の講演でも、まずこの2点から説明しました。どのような照射が適しているかはシミの種類によって異なり、効果には個人差があります。

ADMとはどのようなシミですか?

ADMは、ABNOMやHori’s nevusとも呼ばれ、皮膚の深い位置にある種類のシミです。JSAD2022の講演では、シミのタイプに応じて照射を変える考え方を説明しました。深い位置にあるシミの治療の進め方や経過は、一人ひとり異なります。

ピコシュアプロは、どのような治療に使われてきましたか?

第1号機が当院に導入されてからの約1年は、シミ治療、ニキビ痕治療、小じわ治療などに取り組んできました。同じ2022年には、ポテンツァと組み合わせた肌質改善治療についても、国内外の学会で発表しました。適応や経過は、人によって異なります。

おわりに

JSAD2022では、ピコシュアプロとピコシュアの違いを、2つの観点から整理してお話ししました。同じ学会でのシスペラの講演は、別の記事でご紹介しています。

シミ・たるみ・肌質のお悩みは、横浜あざみ野のヒルズグレイスクリニックまでご相談ください。診察のうえで、一人ひとりに合った治療の組み立てをご提案します。カウンセリングのご予約はこちら →

本記事は学会・講演活動の記録であり、特定の治療の効果を保証するものではありません。記載の治療は自由診療(保険適用外)を含み、効果・経過・副作用には個人差があります。一部の医療機器・医薬品は国内未承認です。治療については診察時に適応・リスク・費用をご説明します。
奥謙太郎 院長

奥 謙太郎(おく けんたろう)/ヒルズグレイスクリニック 院長・皮膚科医

シミ・肝斑・毛穴など、肌に現れた悩みに向き合うとき、私が大切にしているのは、症状だけでなく、その症状が生じた肌の状態まで見極めることです。

レーザー・高周波・超音波などの機器は、同じ設定で照射しても、結果は一人ひとり異なります。その差を生むのは、肌が熱を受け止め、治療に応えられる状態にあるかどうか。だからこそ、必要に応じて肌が応えられる状態を整えながら、適切な治療を、適切な順序でご提案します。

この考えを治療設計の起点に据え、「Thermal Thread Technique®」として体系化し、2024年に『Lasers in Surgery and Medicine』誌へ発表しました。同論文は同誌のTop Viewed・Top Cited Articleに選出されています。高周波照射法「Mono-Bi CrossLIFT Technique」および、注入治療と医療機器を組み合わせる「CrossTALK® protocol」も『Journal of Cosmetic Dermatology』誌に発表しています。

米国レーザー医学会(ASLMS)専門医、医療法人社団光悠会理事長。Cynosure社のアドバイザリーボードには日本から唯一参加し、PicoSure Proの開発段階から携わり、第1号機による症例報告も行ってきました。世界最大のレーザー医学会ASLMSやIMCAS ASIA、KOREA DERMAなどの国際学会で招待講演を行い、国際的な医師教育プログラム「GMI」を主宰。海外の医師の指導・育成にも取り組んでいます。

これまでの治療で思うような手応えを得られなかった方にも、なぜその肌にその症状が起きているのかを見極め、必要な治療の順序からご提案します。肌を診て、治療を設計し、経過に合わせて組み立てを更新する。そこまでを含めて、肌治療だと考えています。詳しいプロフィール →

Dr.Kentaro

ヒルズグレイスクリニック院長。レーザー開発に関与し、早く結果を出す最新治療法を考案するマシン治療のスペシャリスト

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