「ピコレーザー」はシミ治療において、他治療より一歩先を行っています。
なぜか?
新しいレーザーだから?
エネルギーが強くてシミが取れやすいから?
どちらもNOです。答えは…
「シミの周りのお肌を壊さずにシミだけを壊すことのできるエネルギーを使うことができるから」です。
ポイント1|シミの取れやすさ
当院のピコレーザー:ピコシュアプロを用いたシミ治療はこれらの症例のように効果が非常に高いのですが、
もう一つ大きな特徴があります。それはシミ治療における最大の敵「炎症後色素沈着:PIH」(色戻り、とも言われます)の発生率が2.67%(1回治療の場合)と非常に低いということです。
ポイント2|炎症後色素沈着(PIH)とは?
炎症後色素沈着(PIH)は、一度取れたと思ったシミが、治療後2-3週間で同じ場所に、同じような色合いで戻ってくる現象です。数か月の時間をかけて少しずつ薄くなっていくのですが、なくなったと思ったシミが帰ってくるものであるため治療の満足度を大きく損なう「シミ治療の大敵」です。
レーザー治療では、いらない部分(シミ)を壊すことだけに集中して強いエネルギーを照射すればいいと考えがちですが、照射後に「皮膚を回復させて、通常の皮膚を再生させる」ことができなければ、火傷の痕のような瘢痕になったり、色素沈着の発生率が高くなったりします。
ポイント3|シミ治療に適したエネルギー
シミ治療の歴史を紐解いていくと、シミを壊すことがポイントなのではなく、「いかに周りの皮膚を守るか」がポイントとであることが見えてきます。
ピコレーザーで一番大切なのは、「どのくらいのエネルギーで照射すれば、シミだけを壊すことができるか(閾値フルエンスと言います)」なのです。
ピコシュアプロでは、この「閾値フルエンス」を実際の治療で使用することができます。
フルエンスは高くすればするほど炎症後色素沈着の発生率が高くなります。そのため、まずこの閾値を理解して照射しているか否かが大切になります。さらに、この閾値フルエンスを使いながら「シミを確実に取り除いていく」方法が大切です。
ポイント4|ピコシュアプロの炎症後色素沈着発生率:2.67%
先日発刊された美容皮膚科学会雑誌に、同じくピコレーザーであるピコウェイ(Picoway):波長532nmで、51症例のシミ(老人性色素斑)治療を「1回」行った場合の炎症後色素沈着発生率が掲載されました。この研究によるとピコウェイにおける炎症後色素沈着の発生率は、治療後1か月時点で31%、2か月時点で25%とされています(Aesthetic Dermatology Vol.34:507~513, 2024)。
私の研究も同様に掲載されているのですが(詳しくはこちら)、ピコシュア・ピコシュアプロ(PICOSUREpro):波長755nmで、786症例のシミ・アザ治療を「2回以上」行った場合の色素沈着発生率は5.6%です(Aesthetic Dermatology Vol.33: 493~499, 2023)。シミ除去率を高く保ちながら色素沈着の発生率を抑えることができるのが当院の照射方法の特徴です。
ポイント5|シミ治療の極意
同じようにピコレーザーを使用している国内外のDr達から「なぜこんなに低く抑えられるのか?」と多くの質問を受けてきましたが、その答えが「閾値フルエンスの使用した効率の良いシミ破壊」なのです。
シミを治療しようとすると、どうしてもそのシミを「破壊すること」に重きを置きがちなのですが、その場合、色素沈着の発生率は必然的に高くなります。
「壊すべきものだけを壊し、周りはしっかり守る」
これがシミ治療の極意です。
これまで多くのレーザーに触れ、ピコシュアプロの開発からローンチ後の調整と照射方法の構築までを行ってきましたが、現時点でシミ治療に対して最も効果と安全性が高いピコレーザーはピコシュアプロ(PICOSUREpro)であることが、基礎医学データ・臨床データから示されています。
ポイント6|今後のシミ治療について議論
先日、Global DermatologyとCyASIAのセッションにおいて、この知見を報告するとともに、今後のシミ治療についてディカッションを行いました。
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多くの国際学会で共に議論し、より良い治療法を模索してきたDr達とこういったセッションを持てるのは非常に大きな意味があると思っています。
今回CyASIAのセッションとして座長を務めてくださった台湾のDr. Patcik, 共に演者・ディスカッサーを務めたシンガポールのDr. Peter、インドネシアのDr. Ruri、さらにこのwebinarをオーガナイズしてくださったDr. Hsuにこの場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。
今後もピコシュアプロを用いたシミ治療における、さらなる効果・安全性向上に向け、研究を続けていこうと思います。