台風の接近により会場である名古屋国際会議場まで「たどり着くことができるか」が大きなポイントとなった日本美容皮膚科学会2024。新幹線の運休により急遽1日早く名古屋入りすることとなりましたが、予定の変更を快くお引き受け頂いた皆様に心より感謝申し上げます。
さて、日本最大の美容皮膚関連学会である本学会で、私は以下の3つのテーマで講演を行いました。
1:Sofwave™|Thermal Thread Technique®(サーマルスレッド法)
2:PICOSUREpro(ピコシュアプロ)について講演
3:Windscell(ウィンセル)について講演
講演①:次世代治療Sofwave™|Thermal Thread Technique®の実践とライブデモ
Thermal Thread Technique®は、超音波による「斜め上への引き上げ」と「肌質改善」を同時に実現する技術。Relaxed Skin Tension Line(RSTL)に着目し、シワやたるみに働きかける方法を講演とライブデモで解説しました。
Thermal Thread Technique®を論文発表してから、講演依頼を頂くことが多くなったのがこのSofwave™。HIFU(ハイフ)のように「焦がす」超音波ではなく、「活性化する」超音波を用いるのがSofwave™の特徴です。その機器でThermal Thread Technique®を用いると、「斜め上への引き上げ」と「肌質改善」の両方が同時に得られるというのがTTTの特徴になります。
なぜポニーテールにしたときのように「斜め上に」引きあがるのでしょう?
これがThermal Thread Techniqueの一番のポイントです。私達の皮膚は長い時間をかけてダメージを受け続けているのですが、しわやたるみのできる「方向」にはおおよそ決まりがあります。これをRelaxed Skin Tension Line(RSTL)というのですが、毎回同じ部分で紙を折ると折ジワがついてしまうのと同じようなイメージです。このシワを打ち消すように超音波による熱エネルギーを「連結して」いくことができると、結果として斜め上に引き上げられるような効果を出すことが出来るようになります。
単純そうに思えるのですが、いざ施術しようとするといくつものポイントをクリアせねばならないため、今回はそのポイントについて重点的にお話しをさせていただきました。
講演②:PICOSUREproの臨床活用術|8年間の経験から学ぶ実践知識
当院では、2021年に世界で最初のPICOSUREproを導入しました。それ以前の2016年から前身機種であるピコシュアを使用しており、累計で8年間の豊富な使用経験があります。
これまでGMI(Global Medical Institute)のトレーニングや海外学会での講演を通じて、多くの質問を受けてきましたが、その中には共通する疑問が多く含まれていました。今回は、それらの質問に対し、すぐに臨床で活用できる形でお答えするセッションを行いました。
座長は私が敬愛する師である東海大学形成外科の河野教授です。
さて、よく質問を受けるのはこんな内容です。
Q「論文で発表されていた方法で照射したのですが、副反応が強く出ました。これは機器の異常でしょうか?」
機器の異常の可能性はゼロではありませんが、非常に低いと考えて良いでしょう。私たちが使用している医療機器は非常に安定性が高く、特にPICOSUREproに関しては、定期的なメンテナンスによってその安定性が確保されています。(もちろん、温度や湿度などの外部環境を整えることも、さらに高い安定性を維持するために重要です。)
それ以上に重要なのは、照射時の「距離」です。
レーザーのエネルギーが皮膚にどの程度正確に照射されるかは、ハンドピースと皮膚表面との距離によって決まります。もしハンドピースが皮膚からわずかに離れている場合、照射されるエネルギーは術者が意図した2倍程度に増幅されてしまう可能性があります。
この距離の管理を誤ると、副反応が強く出る原因となります。本来必要なエネルギーの2倍が照射されることで、予期しない反応が発生するのです。こうした基本的なポイントを理解し、注意深く管理することが、トラブルを防ぐために非常に重要です。
今回の講演では、こういった実践的な知識についてお話しをさせていただきました。
3:講演③:日本発!Windscellの革新技術とその効果を徹底解説
講演では「そもそもWindscellとは何か?」という基本的な部分からスタートしました。Windscellは「日本発」の革新的な機器で、非常に大きな可能性を秘めています。
この機器が使用するのは「水」です。ただし、普通の水ではなく、特殊な技術で1.4nmサイズのクラスター状に変えられた水粒子で、これをAIR(アイル)と呼びます。このAIRがWindscellから放出され、肌に対して以下の効果を発揮します:
1.鎮静効果
2.保湿効果
3.薬剤導入効果
日常的に接する水とはまったく異なり、例えるなら「レーザー」と同じです。レーザーが光の特定部分を増幅してシミの改善や肌の若返りに利用するように、AIRも水の特定サイズの粒子を抽出して集めたもので、独自の作用を持ちます。
当院では、このAIRをレーザー治療後に使用することで、ダウンタイムを大幅に軽減しています。ノーリスクでここまでの効果を発揮する機器は他に例がありません。
今回の講演では、このAIRの仕組みや効果、そしてその全体像について詳しくお話ししました。
海外の著名な医師たちも来日
今回の美容皮膚科学会には、レーザー医学の第一人者であるDr. Rox Andersonをはじめ、海外で活躍されている多くの医師が来日されました。海外の学会ではお会いすることが多い方々ですが、日本でじっくりとお話しできる機会は非常に貴重で、大変有意義な時間を過ごすことができました。
今回の日本美容皮膚科学会では、最新技術に関する知見を共有するだけでなく、新たな刺激と学びを得ることができました。これらの経験を活かし、今後も患者様に最善の治療と満足をお届けできるよう努めてまいります。
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