１年に１回開催される、レーザー医学における世界最大の学会ASLMS（アメリカレーザー医学会）。今年はボルチモアでの開催となりました。
2019年から参加して６年。6年連続で演題を採択いただき、今回は学会側から教育セッションでの講演依頼もいただきました。レーザーをはじめ超音波、高周波などの機器（Energy Based Device; EBD）における最高峰の場でこのような機会を頂けることは非常に光栄です。この場を借りてASLMSメンバーに改めて感謝申し上げます。
ASLMSで３講演
今回のASLMSでは、
- サーマクールの次世代機器であるDENZA（デンザ）
- 次世代超音波機器であるsofwave（ソフウェイブ）
- あらゆる肌悩みを同時に治療：PICOSUREpro＋sofwave＋DENZAの複合治療
についてお話しさせていただきました。
サーマクールの次世代機器であるDENZA（デンザ）
DENZAは高周波治療のゴールデンスタンダードであるサーマクールの弱点である「痛み」を克服し、「直後から実感できる効果」を実現した次世代たるみ治療機器です。
DENZAの特徴
- RFの発生方法が進化
DENZA（デンザ）は、モノポーラーとバイポーラーを同時に発生する機器であり、エネルギーが深く、かつ広く作用します。特にマリオネットラインやフェイスラインの崩れ、顎下のたるみといった症状に強い効果を発揮します。
- 痛みが軽減
サーマクールは「モノポーラー」と呼ばれるRF（高周波）を使用しており、皮膚の深い部分に熱を届ける仕組みになっています。このため、治療中は皮膚表面も強く加熱され、冷却が必要になります。しかし、冷却を行っていても痛みを感じやすく、「これまで受けた施術の中で最も痛かった」と感じる方も少なくありません。DENZAもRFが深部まで到達するため痛みを感じやすくなりますが、冷却システムが強力になったことで痛みがかなり軽減されました。 - DENZAの効果的な治療法を開発
日本で唯一DENZAを使用可能当院では、フェイスライン、顎下に対する強力なたるみ治療としてDENZAの治療法を開発しました。図の黄色、オレンジの部分が治療前後で引き締まった部分として解析されています。
モノポーラーとバイポーラーを特殊な配列で組み合わせ、皮下のたるみの原因となる伸びきった靭帯をしっかりと縮め、かつ表面のコラーゲンの引き締めも同時に行う。「引き締めながら、引き上げる」ことが痛みなく可能になったことで、たるみ治療の新たな世界が広がったといえるでしょう。ASLMSでの発表でも大きな関心をもって受け入れられました。
次世代超音波機器であるsofwave（ソフウェーブ）
コラーゲン「だけ」に注目する治療から、コラーゲン、エラスチン、ムチンの「すべて」を活性化しながらターンオーバーまで正常化する治療へと進化したのが、次世代超音波機器であるsofwaveです。
Sofwaveの特徴
- sofwaveの熱エネルギーは真皮全体に作用
Sofwave（ソフウェーブ）は今までの超音波治療HIFUとは全く異なり、皮膚のコラーゲンを「焦がす」のではなく、コラーゲンを作る細胞である線維芽細胞を「活性化」させる機器です。現在までにも、活性化させる機器はありましたが、活性化させるために皮膚表面を傷つけたり、焦がしたりする必要がありました。
- 当院独自の治療法を開発
Sofwaveの効果を最大限に発揮させるのが、当院で開発したThermal Thread Technique®（サーマルスレッド法）です。Sofwaveで与えるエネルギーを皮膚の中で隙間なくつなげていくことで、あたかも「スレッドのようなエネルギー」を真皮「のみ」に作用させることができることができるのがこのThermal Thread Technique®。お顔全体のタイトニングがなされることで、目を大きくする効果、リフトアップ効果が施術直後から体感できます。
- あらゆる肌悩みにアプローチ
この方法での治療のもう一つの大きな特徴が、「毛穴、小じわ、肝斑、トーン、キメ、ニキビ痕」といった肌質そのものを同時に改善することができる点です。お肌に関する悩みの大部分を治療することができるため、様々な機器治療のベースケアとして使用するのが最も効果的と考えています。
今回のASLMSではこの肌質改善治療について発表しました。かなり大きなインパクトをもって受け入れられるとともに、我々日本人に合う肌質改善とはいかな効果なのかということを説明することでSofwaveの次なるフェーズについても実りある議論ができました。
あらゆる肌悩みを同時に改善するための方法とは？
しわ、シミ、たるみは我々美容皮膚科が治療する３大症状です。
個別の治療が発展してきたことで、様々な種類の機器が開発されましたが、本当に必要なのは、症状や部位に合わせて最適なエネルギーを与えて、これらの症状を複数同時に改善していくことです。表皮、真皮、皮下組織のすべてを同時に、かつダウンタイムなく治療するのは非常に難しいのですが、当院で行うPICOSUREpro、sofwave、DENZAを用いたコンビネーション治療はこれを実現するものです。
PICOSUREproで「色」を治療し
Sofwaveで「肌質」を治療し
DENZAで「形」を治療する。
この３つを効果的に行うのが、当院で行うMulti-aspected facial contoringです。
Multi-aspected facial contoringのコンセプト自体が新しいため、この治療を教育講演で話すようASLMSから依頼を受けました。お顔に対するトータルソリューションともいえる内容の治療であり、日本人の肌に最適になるよう開発しました。
ASLMSを通じた学びと今後について
ASLMSの素晴らしいところは、新しい考え方や治療を世界中から受け入れ、それを議論し発展させていこうとするところです。私が毎年参加する理由といってもいいでしょう。
ここに集まるのは、各国のエキスパート。自分の技術や知識を磨き続けているからこそ、新たな考え方や技術に対してオープンなのだと思います。彼らと意見を交わしながらより良い治療を模索していくのが、美容医療そのものの発展につながっていくと思っています。
近々クリニックを拡張し、各国のドクターを招くトレーニングセンターを併設します。この業界に貢献していく体制を整えるとともに、さらなる治療成績の向上を目指してまいります。
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医療法人光悠会 ヒルズグレイスクリニック
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