台湾で開催された「Laser and Photonics Medicine Society of Taiwan(LMSTW)」より招待を受け、講演を行ってまいりました。

今回の講演テーマは、多くの医師や患者様が抱く普遍的な疑問、「なぜシミ治療の結果は、症例によってこれほどまでに異なるのか」。この問いに対し、経験論ではなく「分子細胞生物学」という科学の視点から答えを導き出すのが、本講演の核心です。
1:同じレーザーを使っても、結果が同じにならない理由
例え同じ医師が、同じ最新レーザーを使用して治療を行ったとしても、AさんとBさんで得られる効果が同じになることはありません。これはなぜでしょうか。

その答えは、肌の「細胞の活性度」と「コンディション」にあります。 肌は緻密な層状構造をしており、各層でその特性は全く異なります。レーザーがどこで有効に働き、どこで不要なダメージを生みやすいのか。それは、同じAさんであっても、その日の肌状態によって刻一刻と変化しているのです。
「今の肌細胞がどのような状態にあるのか」を見極めることこそが、最適な治療方針を決定づける第一歩となります。
2:シミは「表」からではなく「裏」から治す
そもそも、真に健康な肌であれば、シミは容易には形成されません。 シミが現れたということは、肌の深部に何らかの根本的な問題が生じているというサインです。表面に見えているシミだけを追いかけるのではなく、その深部の原因を突き止め、根源からアプローチすること。

つまり、シミは「表」からではなく「裏(肌深部)」から治すことが、最も効率的で確実な治療への近道なのです。
3:再生・破壊・回復を同時に叶える「サイノグロー」
この理論を具現化した治療の一つが、当院が世界に先駆けて提唱している**「CynoGlow(サイノグロー)」**です。
マイクロニードルRF(ポテンザ)とピコ秒レーザー(ピコシュアプロ)を組み合わせることで、以下の3つのプロセスを同時に進行させます。

- 再生: 肌深部の細胞を活性化し、土台を立て直す。
- 破壊: 不要なメラニンを精密に砕き、除去する。
- 回復: ダメージを最小限に抑え、健やかな肌への修復を促す。
肌の「生物学」と機器の「物理学」を高い次元で融合させること。これこそが、迷いのないシミ治療、副作用なく効果を得られる唯一の道であると考えています。
この方はCynoGlowで治療を行い、目の下のADM(後天性真皮メラノサイトーシス)を除去しつつ、肌質そのものが改善されるよう照射を行っています。

これまでなかなか結果を出すことができずに悩んでおられましたが、複数の症状を同時に改善されました。肌の奥に存在する原因に直接アプローチすることで、ADM、色素沈着、ニキビによるダメージのすべてに効果をもたらすことが可能になりました。
美容医療の本質は、常にサイエンス(科学)にあります。日本のみならず、アジア、そして世界の美容医療の質を高めるべく、これからも「なぜ」を科学で解き明かす臨床を続けてまいります。
